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2026.10.06赤ちゃんの中で「物・ことば・サイン」がつながるとき

赤ちゃんにとって「眠ること」は、ただ体を休める時間ではないのかもしれません。

これまで紹介してきた研究では、

① 6〜8か月:寝ている間に「言葉と意味」を整理する
↓
② 9〜16か月:寝ている間に「知識を一般化」する
↓
③ 14〜17か月:寝ている間に「出来事の記憶」を整理する

ということが、少しずつ見えてきています。

今回は、この③のお話です。

「この物」と「この言葉」をセットで覚える

2020年に発表された研究では、14〜17か月の赤ちゃんを対象に、「物」と「その物の名前」の組み合わせを、どのように記憶するのかが調べられました。

実験では、画面にいろいろな物の写真を見せながら、その物の名前を聞かせます。

たとえば、

ボールの写真を見ているときに
「Ball(ボール)」という言葉を聞く。

このように、「物」と「その名前」を一緒に経験するのです。

その後、赤ちゃんの脳の反応を調べると、昼寝をした赤ちゃんでは、

「この物と、この言葉が一緒だった」

という具体的な出来事の記憶が残っていることを示す反応が見られました。

つまり、

「ボールという言葉を知っている」

だけではなく、

「この物を見て、Ballって聞いた」

という経験そのものが、記憶として整理されていた可能性があるのです。

これ、ベビーサインにもつながると思いませんか?

私はこの研究を読んで、ベビーサインをお伝えするときの、ある「基本」を思い出しました。

ものの名前のサインをするときは、

言葉とサインだけを見せるのではなく、できるだけ実際の対象物も一緒に見せる。

たとえば「ボール」なら、

実際のボールを見せて、

「ボール」と声をかけながら
「ボール」のベビーサインを見せる。

りんごなら、実際のりんごを見せてもいい。

手元に本物がなければ、りんごのイラストや写真、おもちゃでもいい。

大切なのは、

「これは何?」という対象が、赤ちゃんの目の前にあること。

つまり、

実際の物・イラスト・おもちゃなどの対象物
+ 声で聞く言葉
+ ベビーサイン

を、ひとつの経験として重ねていくのです。

今回の研究では、赤ちゃんは「物」と「言葉」の組み合わせを経験し、それを睡眠によって記憶として整理していました。

もちろん、今回の研究はベビーサインを使った研究ではありません。

だから、

「ベビーサインをすると記憶力がよくなる」

ということを、この研究から言うことはできません。

でも、とても興味深いのは、

赤ちゃんが「物」と「言葉」をバラバラにではなく、ひとつの経験として結びつけている

ということ。

そう考えると、ベビーサインを使うときにも、

「ボール」という言葉を言って、サインだけを見せるのではなく、

実際のボールを見せる
↓
「ボール」と声をかける
↓
「ボール」のサインを見せる

という経験には、とても意味がありそうです。

赤ちゃんの中では、

「これがボール」
「ボールって聞いた」
「大人がこの動きをしている」

という、いくつもの情報が同時に入ってくる。

そして、それを何度も経験する中で、少しずつ、

「あ、これとこれとこれがつながっているんだ!」

と、自分で世界の仕組みを発見していく。

私は、ここにベビーサインの面白さがあると思っています。

赤ちゃんに「覚えさせる」のではなく、

赤ちゃんが世界を理解するための手がかりを、ひとつ増やしてあげる。

そして、その経験を眠っている間にも、脳が整理している。

そう考えると、

「ほら、ボールだよ」
「ボールだね」

と、目の前のボールを一緒に見ながら言葉とサインを届ける、いつもの何気ないやりとりも、ちょっと違って見えてきませんか?

赤ちゃんは、私たちが思っている以上に、

見て、聞いて、感じて、覚えて、つなげている。

ベビーサインは、その「つながり」をつくるための、ひとつの手がかりなのかもしれません。

※今回紹介した研究は、14〜17か月児を対象に、物とことばの組み合わせが睡眠後にどのように記憶されるかを調べたものです。ベビーサインそのものを検証した研究ではありません。

Friedrich, M. et al. (2020). Sleep-dependent memory consolidation in infants protects new episodic memories from existing semantic memories. Nature Communications, 11, 1298.

2026.10.02寝た赤ちゃんと、寝なかった赤ちゃん。翌日の記憶に差が出た?

2015年、赤ちゃんの睡眠と記憶について、とても興味深い研究が発表されました。

対象は、生後9〜16か月の赤ちゃん。

研究者は赤ちゃんに、見たことのない物体と、新しい言葉を組み合わせて覚えてもらいました。

そして、その後に、

「昼寝をする赤ちゃん」

と

「昼寝をしなかった赤ちゃん」

に分けて、記憶を調べたのです。

すると……

昼寝をした赤ちゃんは、覚えた物体と単語の組み合わせを記憶していただけではありませんでした。

似たような、まだ見たことのない物体にも、その言葉を当てはめられるようになっていた。

つまり、

「この物だけが○○」

ではなく、

「こういう種類のものを○○というんだ」

というところまで、知識を広げていたのです。

一方、昼寝をしなかった赤ちゃんでは、その「一般化」が確認されませんでした。

研究では、こうした記憶の一般化と、昼寝中の「睡眠紡錘波」という脳活動との関連も見つかっています。

これって、すごく面白くないですか?

赤ちゃんは起きている間に、

「覚える」

そして眠っている間に、

「整理して、仲間分けする」

ようなことをしている可能性がある。

だから、

「昨日覚えたのに、今日はできない」

ということがあっても、

「忘れちゃった」

とは限らないんです。

脳の中で、まだ整理の途中なのかもしれません。

そして、この「一般化」って、赤ちゃんの学習にとても重要です。

例えば、

「これは犬」

という経験を1回しただけで終わったら、

その犬とまったく同じ犬しか「犬」になりません。

でも、

「大きさは違うけど、これも犬」
「色が違っても、これも犬」

と分かるようになることで、赤ちゃんは少しずつ、

「犬」というカテゴリー

をつくっていきます。

しかも、そこに、ベビーサインがあると、
どこからどこまでを「犬」として理解しているかもわかるんですよ。
ある日、息子は散歩中にみた小さなポメラニアンを見て【猫】ってベビーサインをしたんですよ。
そこで、私はピンとひらめいたんです。息子には、わが家に当時いたでっかいラブラドールが【犬】で、小さいのは【猫】という理解だったんだろうって!

世界は、毎回まったく同じものが出てくるわけではありません。

だからこそ、

「似ているものをまとめる」

という脳の働きが必要になる。

そして、その整理に睡眠が関わっている。

そう考えると、お昼寝って、

「何もしていない時間」

ではないんですよね。

むしろ、

今日経験したことを、明日の「わかる」に変えている時間

なのかもしれません。

だから、赤ちゃんが寝ている間に、

「今のうちに家事を!」

と頑張るのもいいけれど、

「今、この子の脳は今日の経験を整理しているのかも」

と思ってみるのも、ちょっと面白い。

赤ちゃんの睡眠は、

ただ身体を休める時間ではなく、

学んだ世界を、自分の中に整理していく時間

なのかもしれません。

2026.10.01絵本を読むとき、ベビーサインはどう見せればいい?

先日、noteの質問箱にこんなご質問をいただきました。
実は、質問箱、設置してから、初めての質問!ありがとうございました。

まず、最初にお伝えしたいのは、

今の読み聞かせのスタイル、全然問題ありません。

むしろ、1歳3ヶ月のお子さんがママの足に腰掛けて、後ろから腕を回してもらいながら絵本を楽しんでいる。なんだか、とてもいい時間だなぁと思いました。

そして、実は私は、絵本を読むときに「ベビーサインを見せなきゃ」と頑張らなくてもいいと思っています。

絵本は、絵本として楽しんでほしい

ベビーサインを始めると、

「せっかく動物が出てきたんだから、【犬】のサインを見せよう」

「ここにりんごが出てきたから、【りんご】をやらなくちゃ」

と思うことがありますよね。

もちろん、それが楽しいのであればやっていただいて大丈夫です。

でも、

「絵本に出てくるもの=ベビーサインを教えるチャンス」

と考えすぎなくても大丈夫。

絵本を読む時間は、まずは絵本を一緒に楽しむ時間であってほしいのです。

「わんわん、いたね!」

「おいしそうだね」

「このくまさん、何してるのかな?」

そんなふうに、ママと赤ちゃんが絵を見ながら一緒に笑ったり、驚いたり、指をさしたり。

それだけでも、十分に豊かなコミュニケーションです。

だから、サインを見せるために無理に体勢を変えたり、赤ちゃんの顔が見えるように座り直したりする必要もありません。

今の親子で楽しんでいるスタイルを、そのまま大切にしてください。

じゃあ、ベビーサインはいつ使うの?

って思いますよね?!

私は、絵本を「ベビーサインを教える教材」にするよりも、日常生活の中でベビーサインを使えるようにしておくことをおすすめしています。

たとえば、日常の中で、

「りんご、おいしいね」

「わんわん、いたね」

「おしまいにしようか」

「もっと食べる?」

などと、声かけと一緒にベビーサインを使っていく。私たちベビーサイン協会が繰り返しみんなにお伝えしている「普段の語りかけにベビーサインを添える」これが基本です。

そうやって、少しずつ赤ちゃん自身がサインを使えるようになってくると……。

ある日、絵本を読んでいると、大人が気づかなかった小さなネズミを見つけて【ネズミ】いたよ!って教えてくれたり、あの有名な「はらぺこあおむし」の大きなさなぎを見て【パン】ってサインをしてくれたり。

見落としや、勘違い、発見をたくさんベビーサインで教えてくれるようになるんです。

それはまるで、絵本の中の世界についてママとおしゃべりしているような感じです。幼稚園児が絵本を読んであげると、いっぱいおしゃべりしながら、突っ込みしてくれる感じと同じです。

私は、ここがベビーサインと絵本の、とても楽しいところだと思っています。

「見せる」から「一緒に楽しむ」へ

ベビーサインを始めたばかりの頃は、大人がサインを見せることが多いですよね。

「これが【犬】だよ」

「これは【りんご】だよ」

と、赤ちゃんに伝えていく。

でも、赤ちゃんがサインを覚えて使えるようになってくると、だんだん関係が変わってきます。

大人が教えるだけではなく、

赤ちゃんのほうから、絵本を読んでいるママに話しかけてくれるようになる。

だから、絵本を読むたびに「今日は何個サインを見せられたかな?」と考えなくても大丈夫。

むしろ、

「今日はどんなことを、この子が伝えてくれるかな?」

くらいの気持ちで、一緒に絵本を楽しんでみてください。

そして、もし絵本の途中で赤ちゃんが突然サインをしたら、

「わーこんなところに小さなネズミさんいたね」

「えーーーこれ、パンに見えたの?!」

と、その気持ちを受け止めてあげる。

それだけで、絵本がもっともっと楽しい「おしゃべりの時間」になっていきます。

今のご質問者さんのように、親子で絵本を楽しめているなら、それが何よりです。

ベビーサインを絵本に合わせるのではなく、ベビーサインがあることで、絵本の時間に赤ちゃん自身の「伝えたい!」が加わっていく。

そんなふうに考えてみてくださいね。

2026.09.30赤ちゃんは寝ている間に、言葉を覚えている?

赤ちゃんがお昼寝している間。

大人から見ると、

「やっと寝てくれた……」

という貴重な休憩時間ですよね。

わが子がなかなか寝ない子だったので、
「やっと寝た・・・」
という感情は今でも鮮明に覚えているな~

でも、赤ちゃんの脳では、この時間にちょっと驚くようなことが起きているかもしれません。

寝ている間に、覚えたことを整理している。

そんなことを示した研究があります。

研究に参加したのは、生後6〜8か月の赤ちゃん。

研究者は赤ちゃんに、ちょっと変わった「言葉の勉強」をしてもらいました。

たとえば、見たことのない形の物体を見せながら、

「Bofel(ボーフェル)」

「Zuser(ズーザー)」

という、実際には存在しない名前を聞かせます。

しかも、形の違ういくつかの物体に、同じ名前をつけました。

つまり赤ちゃんには、

「これとこれとこれは、ちょっと形が違うけれど、みんなBofel」

という関係を覚えてもらったわけです。

そして、学習のあと。

赤ちゃんたちは、しばらくしてから記憶テストを受けます。

すると……

昼寝の長さによって、脳の反応が違っていた。

短い昼寝をした赤ちゃんでは、まだ比較的単純な「音と物体の結びつき」に近い反応。

ところが、より長く眠った赤ちゃんでは、言葉と意味の関係を処理するときに見られる脳反応が現れました。

つまり、睡眠中に、

「この音を聞いた」

という記憶から、

「この言葉は、この種類のものを表している」

という、より意味のある知識へと整理されていた可能性があるのです。

しかも、この研究は生後6〜8か月の赤ちゃん。

まだ言葉を話せない時期です。

それでも脳は、言葉と物との関係を学び、睡眠中にその記憶を整理していた。

研究者たちは、この変化に睡眠中の「睡眠紡錘波(スリープスピンドル)」という脳活動が関係していることも報告しています。

ここが、私はすごく面白いと思います。

私たちはつい、

「まだ話せない赤ちゃんだから、言葉はまだ分からない」

と思ってしまいがちです。

でも、

話せることと、学んでいることは別。

赤ちゃんは、まだ言葉を話せなくても、

聞いて、見て、結びつけて、覚えて、そして眠っている間にも整理している。

つまり、お昼寝は単なる「休憩」ではなく、

赤ちゃんの脳にとって、学んだことを整理する時間でもあるんですね!

そう考えると、

「やっと寝た・・・・・」

といういつもの光景も、少し違って見えてきませんか?

赤ちゃんが眠っている間、

脳の中では今日の経験が、せっせと整理されているのかもしれません。

そして、これはベビーサインにもつながる話。

赤ちゃんがサインを出すようになるまでには、見て、聞いて、意味を結びつけて……という、たくさんの「学習」があります。

すぐにサインが返ってこなくても、

「覚えていない」のではなく、今まさに学んでいる途中なんです!

そんな視点を持っておくと、赤ちゃんを見る目も少し変わりますよね。

次回は、さらに面白い研究。

「寝た赤ちゃん」と「寝なかった赤ちゃん」で、翌日の記憶に違いが出た?

というお話です。

2026.09.25お世話がラクになる!以上に大事なこと

なぜヒトだけが「寝かしつけ」をするのか
久世濃子著 WAVE出版

画像

なんと、こちらの本に「ベビーサイン体験記」というコラム発見!そこには、久世さんご自身のお子さん2人とのベビーサインの体験が書かれていました。

上のお子さんは生後5か月頃からベビーサインを使い始め、下の娘さんは生後6か月頃から。下のお子さんとは、ベビーサイン教室にも通ってくださっていたようです。

ところが、コラムを読むと、使っていたサインは10個を超えることがなかったそうなんです・・・

具体的に書かれているのは、

「ミルク/母乳」

「もっと」

「おしまい」

など。

そして、お子さんが1歳頃になって発話が始まると、自然とベビーサインを使わなくなっていった。そんな体験が綴られています。

久世さん親子に実際に何が起こったのかを、私が知っているわけではありません。でも、ベビーサインを長年伝えてきた立場からすると、どうしても考えてしまうんですよね・・・

もしかすると、使っていたサインが少なかったこと以上に、

「どんな言葉をサインにしていたか」

が、親子の世界を大きく変えていたのかもしれない、と。

たとえば、

「もっと」

「おしまい」

「ミルク」

は、赤ちゃんのお世話をするときに、とても役に立つサインです。

でも、ベビーサインで伝えられるのは、

「お世話してほしいこと」

だけではありません。

食べ物。

動物。

乗り物。

そして、赤ちゃんの目の前にある、ありとあらゆるもの。

もし、そういう「ものの名前」をたくさんベビーサインで伝えていたら。

たとえば、ある日、お隣のお家のエアコンの室外機を見つめて、突然、【電車】のサインをしたとしたら?

これは、わが家の息子の話なんだけど、主人が「そうか!確かに、電車の車輪みたいに回ってるな!」って、めちゃくちゃ嬉しそうだったのを、今でも覚えてるんですよね~

玄関で赤ちゃんが【帽子】ってサインをしたら、「お外に行きたい」という、赤ちゃんの意図を想像できますよね。

お散歩の途中、暗い路地を赤ちゃんが指さして、【猫】とサイン。そこには、猫はいません。でも、ママはすぐに気づいて、「昨日ここにいた猫?」「覚えてたの?」という会話ができたんです。

私は、「ベビーサインを使えるようになる」ということの先には、こんな世界もあるんですよ~って声を大にして言いたい!

「おっぱいが欲しい」

「もっと食べたい」

「もうおしまい」

というコミュニケーションも、もちろん大切です。でも、それだけじゃない。

赤ちゃんの頭の中にある世界を、少しずつ教えてもらう。

そのためのサインも、たくさんあるんです。

だからといって、このコラムを読んで私は、

「10個にも満たなかったんだ。もっと教えてあげればよかったのに」と思ったわけではないんですよ。

このコラムを読んだからこそ、私は改めて、

「赤ちゃんの世界を、もっともっと知ってほしい」

と思ったんです。

そして、そのためにベビーサインを伝えていきたいと、改めて思っています。

そして、もうひとつ。

久世さんが、ご自身のお子さん2人にベビーサインを実際に使ってくださったこと。そして、その体験をこうして本の中に残してくださったこと。しかも、最新刊「ベビーサイン図鑑」もメンションしてくださってるんです!(感動)

それが、とてもありがたいなと思いました。

久世さん、貴重な体験を本に残してくださって、ありがとうございます。

2026.09.22「ドパガキ」って知ってる?

赤ちゃんの「退屈」を考えてみた

最近、「ドパガキ」という言葉を知りました。

「ドーパミン中毒のガキ」を縮めたネットスラングだそうです。
(何でも縮めるから、ほんとついていくの大変汗)

ショート動画やゲームなど、次々と刺激がやってくるものに慣れて、刺激のない時間を楽しめない子どもを指して使われているそうです。

もちろん、「ドパガキ」は医学的な診断名ではありません。

でも、この言葉を見て、私はちょっと考えました。

「子どもをドパガキにしないために、刺激を減らそう」じゃないよね!?

そもそも、赤ちゃんにとって「何もない時間」って、何をしている時間なんだろう?

「スマホ=ドーパミン中毒」ではない

まず、ここは大事。

「スマホを見る→ドーパミンが出る→中毒になる→集中できなくなる」という単純な説明を、科学的事実として見つける事はできません。

実際、0~6歳の子ども6,922人を含む15研究をまとめたメタ分析では、スクリーンを見ている時間そのものと、実行機能との間に統計的に有意な関連は確認されませんでした。

研究者たちは、単純な「時間」だけではなく、何を見ているのか、どのような環境で使っているのかなど、さまざまな要因を考える必要があるとしています。

つまり、

「何時間見たか」だけでは、子どもの発達は語れない。

ということです。

じゃあ、赤ちゃんは何をしている?

ここで、赤ちゃんの姿を思い浮かべてみてください。

スプーンを落とす。

拾う。

また落とす。

拾う。

そして、また落とす(笑)。

自分で拾うのがイヤになると、
大人にとって欲しそうな顔で見つめる・・・

うちの娘は、テーブルからものを落としながら
【痛い】ってベビーサインしてました。
はい、確かに落とされたものは「痛そうだね」笑

大人からすると、

「何がそんなに面白いの?」

と思うようなことを、何度も繰り返します。

でも赤ちゃんにとっては、

「落としたらどうなる?」

「音がした!」

「もう一回やってみよう」

という、小さな実験なんですよね。

実際、5~19か月の乳児130人を9か月間追跡した研究では、乳児の探索遊びの「効率」が、その後の語彙サイズと関連し、3歳時点のIQとも関連していました。

もちろん、これは「探索遊びをすればIQが上がる」という因果関係を示した研究ではありません。

でも、

赤ちゃんが自分で触って、試して、繰り返している時間は、決して「何もしていない時間」ではない。

そんなことを考えさせてくれる研究です。

「退屈させない」より大切なこと

私たちはつい、

「退屈させないようにしなきゃ」

と思ってしまいます。

動画を見せる。

音楽を流す。

おもちゃを次々に出す。

もちろん、それが悪いわけではありません。

でも、いつも大人が「面白いもの」を用意し続けなくてもいいんですよね。

ちょっと暇。

することがない。

何も起こらない。

そんな時間があるからこそ、

「なんだろう?」

と、自分から世界を探し始めることもある。

赤ちゃんが同じことを何度も繰り返しているとき。

何かをじーっと見つめているとき。

大人から見たら「暇そう」に見える時間にも、赤ちゃんの中では、いろんなことが起きているのかもしれません。

だから私は、「ドパガキ」という言葉を見て、

「刺激を減らさなきゃ!」

と考えるより、

「この子が自分から『なんだろう?』を見つけられる時間、ちゃんとあるかな?」

と考えてみたいと思いました。

刺激を与えることより、

自分から世界を面白がる余白を残しておくこと。

そして、その「なんだろう?」に気づいてくれる大人がいること。

もしかすると、乳幼児期に大切なのは、

「退屈しない子」を育てることではなく、
「退屈な時間から、自分で面白いものを見つけられる子」を育てること。

なのかもしれませんよね。

2026.09.09親子の時間は、思っているよりずっと短い

先日、SNSでこんな「親子の数字」を見かけました。

・親子の時間の8割は18歳までに終わる
・一緒に眠れるのはたった10年ほど
・手をつないで歩けるのは9歳ごろまで
・子どもと過ごす夏休みは12回
・「遊ぼう」と誘ってくれるのは10年間だけ
・子育ては平均すると8,760日

……こうやって数字にされると、ちょっとドキッとしますよね。

「え、そんなに短いの?」

と思ってしまいます。

ただ、この数字について調べてみると、出典がはっきりしないものも多く、私はそのまま「科学的な事実」として紹介するのは違うなと思いました。

それに、SNSで見かけた数字がこれだからといって、わが家も同じになるとは限らないですしね。

でも。

「親子の時間は、ずっと同じ形で続くわけではない」

これは、確かにそうなんだと思います。


親子で一緒に過ごす時間は、実際に減っている

2025年にシチズン時計が、小学生の子どもを持つ共働き夫婦400組を対象に「親子のふれあい時間」を調査しています。

それによると、親子で一緒に過ごす時間は、

平日:2時間19分
休日:4時間19分

でした。

しかも、2012年の同じ調査と比べると、

平日は41分減少。
休日は70分減少。

親子で一緒に過ごす時間は、13年前より短くなっていました。

もちろん、これは「親子の時間が減ったから、もっと一緒にいなければ!」という話ではありません。

仕事もある。

学校もある。

習い事もある。

子どもにも子どもの世界ができていく。

親子がずっと一緒にいることが、必ずしもいいわけではありません。

むしろ、子どもが成長して親から少しずつ離れていくことは、とても自然なことです。


「一緒にいる時間」より、私が気になること

私は、子どもたちがもう大人になった今だからこそ思うことがあります。

子育てをしている真っ最中は、

「今日もちゃんとご飯を食べさせなくちゃ」

「明日の準備をさせなくちゃ」

「宿題やった?」

「早く寝なさい!」

そんなことで一日が終わっていきます。

親子で過ごす時間を、

「どれくらい長くできたか」

なんて、ほとんど考えたことなんてなかった気がします。

でも、振り返ってみると記憶に残っているのは、意外と特別な日ではありません。

一緒に愛犬の食事をのぞき込んで見たこと。

車の中で延々としりとりをしたこと。

保育園からの帰り道、しゃがみ込んで水路に石を投げたこと。

「見て!見て!」と言われて、振り返ると大抵工事現場の重機だったこと。

「すごいね~」と言いながらもってくるのは、私の苦手だった昆虫ばかりだったこと。

何気ない日常の中にあった、小さなやりとりです。


子どもとの時間は「長さ」だけでは測れない

乳幼児期の子どもとの関わりを考えるとき、私はここがとても大切だと思っています。

親子の時間を、単純に「何時間一緒にいたか」だけで考えないこと。

たとえば、ママ友とのお出かけに3時間、子どもを付き合わせたという日と、忙しくて15分しかなかったけど、絵本を見ながらいっぱいおしゃべりした日。

どちらが子どもにとって、心が満たされるでしょうか?


ベビーサインで大切にしているのも、実はそこ

私がベビーサインを長年伝えてきて、今改めて思うのは、

ベビーサインは「教えるもの」というより、親子のやりとりを増やすきっかけになるもの

なのだということ。

たとえば、赤ちゃんが「もっと」とベビーサインで伝えてくれた。

ママは「もっと?欲しいの?」とサインと言葉で返す。

すると赤ちゃんがもう一度サインをする。

「もっと食べたいのね」

と確認しながら応える。

そんなほんの数秒のやりとりです。

でも、その中には、

「あなたが伝えたこと、ちゃんとわかったよ」

「あなたのことを見ているよ」

という親子のコミュニケーションがあります。

もちろん、ベビーサインを使わなくても、こうしたやりとりはできます。

大切なのは、サインの数でもありません。

何歳までに何個覚えたかでもありません。

子どもが何かを伝えようとしたときに、大人が気づいて応えてあげること。

その積み重ねこそが、親子の時間を豊かにしていくのだと思います。


「今しかない」と焦らなくてもいい

「子どもとの時間は今しかない」

そう言われると、親はちょっと焦ります。

もっと遊んであげなきゃ。

もっと話を聞かなきゃ。

もっと一緒にいなきゃ。

でも、私はもう少し肩の力を抜いてもいいと思っています。

子どもは成長します。

手をつながなくなる日も来る。

「一緒に寝よう」と言わなくなる日も来る。

「遊ぼう!」と誘ってくれなくなる日も来る。

そして、いつの間にか親とは別の世界を持つようになる。

それは、寂しいことでもありますが、

子どもがちゃんと成長している証でもあります。

だから、

「今しかないから、もっと頑張らなくちゃ」

ではなく、

「今、目の前にいるこの子と、ちょっとだけやりとりを楽しもう」

くらいでいいのかもしれません。


子どもとの時間は、確かに短い。

でも、その時間は「何年」という数字だけでは測れない。

「見て!」

「なあに?」

「これ!」

「ほんとだね」

そんな何気ないやりとりが積み重なって、親子の時間になっていく。

だから私は、

親子で過ごす時間を増やすことだけではなく、
今ある時間の中に、どんな「やりとり」を増やせるか。

そこを、これからも大切に伝えていきたいと思っています。

2026.09.011歳の赤ちゃん、もう「人を助ける」をしていた?

赤ちゃんは「お世話されるだけの存在」じゃなかった

赤ちゃんって、まだ何もできない。

大人がごはんを食べさせて、着替えさせて、危険から守ってあげる。

そんなふうに、「赤ちゃん=お世話される存在」と考えるのは、ごく自然なことですよね。

でも、乳幼児の発達研究を見ていると、時々、

「えっ、もうそんなことをしているの?」

と驚かされることがあります。

今回ご紹介したいのは、その一つ。

なんと、1歳前後の赤ちゃんが、すでに「人を助ける」行動をしているという研究です。

しかも、「ママのお手伝いをしてね」と教えられたわけでもありません。

1歳の赤ちゃん、8割以上が「助けた」

2024年に発表された研究では、11~20か月の乳幼児220人を対象に、どのくらいの子どもが人を助ける行動をするのかが調べられました。

その結果、12か月児153人のうち、80%以上の赤ちゃんが、実験者が手の届かないところにある物を取ろうとする場面で、助ける行動を見せたのです。

「えっ、1歳って、もうそんなことするの?」

と思いませんか?

しかも、この研究では、実験者が「取って」とお願いするのを待って助けたわけではありません。

研究では、赤ちゃんが助けた場合、その多くが最初の20秒以内に起こっていました。

つまり、言葉で「助けて」と頼まれる前に、赤ちゃん自身が状況を見て行動していたのです。

もちろん、ここから

「1歳児は大人と同じように相手の気持ちを理解している」

と考えるのは早すぎます。

ここは、とても大切なところ。

研究で見られたのは、主に**instrumental helping(道具的援助)**と呼ばれる行動です。

たとえば、

「大人が物を取ろうとしている」

↓

「その物が届かない」

↓

「赤ちゃんが物を持ってきてあげる」

というような、

「相手がやろうとしていることを手伝う」

という行動です。

「やさしい子だから」だけでは説明できない

ここが、この研究を読むときに面白いところです。

私たちは子どもが誰かを助けると、

「やさしいね」

「いい子だね」

と言いたくなります。

もちろん、それは素敵なこと。

でも、発達心理学では、

「なぜ、こんなに早い時期から助ける行動が出てくるの?」

ということを考えます。

実は、こうした「助ける」行動については、2000年代からさまざまな研究が行われてきました。

WarnekenとTomaselloの研究では、18か月の子どもたちが、大人が物を落としたり、扉を開けようと困っていたりする場面で、頼まれていないのに助ける行動を示しました。しかも、必ずしも報酬をもらうためではありませんでした。

さらに、その後の研究から、こうした「助ける」行動は、もっと早い時期から見られることが分かってきました。

現在では、生後1年頃から、他者の目標を達成するための手助けが現れることが示されています。

ただし、「助ける」にも発達がある

ここがまた面白いところです。

「人を助ける」と一言で言っても、実は発達していきます。

最初の頃に見られるのは、

「あの人が何かしようとしている。じゃあ、その物を取ってあげよう」

というような、行動を助けるタイプ。

その後、発達が進むにつれて、

「この人、困っているみたい」

「悲しそうだから、慰めてあげよう」

というような、相手の感情や状態に応じた援助も増えていきます。

研究では、こうした**「行動の目標を助ける」ことから、「相手の苦痛を和らげる」ような援助へ**という発達的な変化が指摘されています。

つまり、

「助ける」という行動そのものにも、心の発達の階段がある。

ということなんです。


じゃあ、赤ちゃんは何を見ているの?

赤ちゃんは、ただ「物」を見ているわけではないのかもしれません。

「この人は、何をしようとしているんだろう?」

ということにも、少しずつ目を向けている。

もちろん、1歳の赤ちゃんが大人と同じように相手の心を読んでいるわけではありません。

でも、

「手が届かない」

「取ろうとしている」

「困っている」

といった状況を見て、自分の行動を変える。

そこには、

「自分」だけではなく、「相手」へ向かう心の動き

が見えてきます。

そして、これは乳幼児期の「社会性」を考えるうえで、とても大事なポイントだと思うのです。


赤ちゃんは「伝えてもらう側」だけじゃない

ここで、ベビーサインにもつながってきます。

赤ちゃんとのコミュニケーションというと、

「大人が赤ちゃんに話しかける」

「大人が赤ちゃんに教える」

という、大人から赤ちゃんへの方向を考えがちです。

でも、赤ちゃんはもっと早い時期から、

自分から人に働きかけています。

たとえば、

「これ、取って」

「これが欲しい」

「もっと」

「見て!」

という、自分の気持ちや要求を伝える。

さらに発達すると、

「ママ、これだよ」

「パパ、ここにあるよ」

というように、相手に情報を伝えるためのコミュニケーションも出てきます。

12か月頃の乳児が、相手が探している物の場所を指差して知らせることを調べた研究もあります。

ここまでくると、

「コミュニケーション=自分の要求を伝えること」

だけではないことが見えてきます。

人に何かを伝える。

人の行動を助ける。

人と一緒に何かをする。

そうやって、少しずつ「人と人との関係」ができていく。


「お手伝いして」と言わなくても、赤ちゃんは見ている

だから、赤ちゃんが何かを拾ってくれたとき。

大人が落としたものを持ってきてくれたとき。

洗濯物を触っているとき。

お片付けをまねしているとき。

つい、

「危ないよ」

「まだできないよ」

と止めてしまうこともあります。

もちろん、安全に関わることは止めてOKです。

でも、安全に問題がないことであれば、

「何をしようとしているのかな?」

と、一度見てみる。

そして、

「持ってきてくれたの?」

「ありがとう」

「助かったよ」

と返してみる。

それだけでも、

「自分の行動が、人の役に立った」

という経験になります。


「いい子だから助けた」ではなく、「人と関わる力」が育っている

ここは、子育てで大切にしたい視点だと思います。

「助けたから、いい子」

ではありません。

「お手伝いできたから、えらい」

でもありません。

むしろ、

「あなたは、人と関わることができるよ」

というメッセージとして受け取ってみる。

赤ちゃんが何かを持ってきたら、

「○○ちゃんが持ってきてくれたんだね」

と、その行動に気づく。

赤ちゃんがベビーサインで何かを伝えてきたら、

「○○って教えてくれたんだね」「そうだね。○○だね」

と言葉とベビーサインで返す。

そうすると、

「私が何かすると、相手が返してくれる」

という、人とのやりとりの感覚が少しずつ積み重なっていきます。

これは、単に「できることが増える」という話とは少し違います。

「自分は人と関われる」

という感覚です。


赤ちゃんを見る目が、少し変わるかもしれない

「赤ちゃんは、まだ何もできない」

そう思っていると、

泣いたらあやす。

お腹がすいたら食べさせる。

眠かったら寝かせる。

というように、どうしても「お世話」が中心になります。

でも、

「この子は今、私と何をしようとしているんだろう?」

という目で見てみると、少し景色が変わります。

こちらを見ている。

手を伸ばしている。

物を渡してくる。

こちらのまねをする。

何かを知らせようとする。

助けようとする。

赤ちゃんは、思っている以上に早くから、

「人と一緒に世界をつくる側」

になっているのかもしれません。


そして、ベビーサインを考えるときにも

私はここが、とても大切だと思っています。

ベビーサインは、

「赤ちゃんに言葉を教える方法」

だけではありません。

赤ちゃんがまだ話せない時期から、

「私はこう思っているよ」

「これを伝えたいよ」

と、自分から人に働きかけるための手段の一つです。

そして、大人がそれを受け取って、

「そうなんだね」

「教えてくれてありがとう」

と返す。

その繰り返しの中で、

「伝えるって楽しい」
「伝えると、誰かが応えてくれる」

という経験が生まれる。

だから私は、ベビーサインを「サインをいくつ覚えたか」だけで見てほしくないのです。

そのサインの向こう側にある、

「人とつながる力」

にも、ぜひ目を向けてほしいと思っています。


赤ちゃんは、今日も何かを「伝えよう」としている

もしかしたら今日、

あなたの赤ちゃんが何かを拾って持ってきてくれるかもしれません。

あなたが探しているものを指差して教えてくれるかもしれません。

手を伸ばして、「こっち」と知らせてくれるかもしれません。

そんなとき、

「何してるの?」

で終わらせずに、

「あ、教えてくれたんだね」

「手伝ってくれたんだね」

と、その小さな行動を受け取ってみる。

赤ちゃんの中には、私たちが思っているよりずっと早くから、

「人と関わりたい」
「人に伝えたい」
「人の役に立ちたい」

という力の芽が育っているのかもしれません。

そして、その芽を見つけて、

「ちゃんと見ているよ」

と返してあげること。

それもまた、乳幼児期の大切なコミュニケーションなのだと思います。


参考文献

Donohue, M. R., Hennefield, L., & Rogers, C. R. (2024). Prevalence and characteristics of infants’ prosocial helping strategies between 11 and 20 months of age. Developmental Psychology, 61(2), 215–227.

Warneken, F., & Tomasello, M. (2006). Altruistic helping in human infants and young chimpanzees. Science, 311(5765), 1301–1303.

Warneken, F., & Tomasello, M. (2007). Helping and cooperation at 14 months of age. Infancy, 11(3), 271–294.

※今回の研究で確認されているのは主に、相手の行動上の目標を助ける「道具的援助」です。そこから、より感情に寄り添った援助へと発達していくことが示されています。

2026.08.24子育てしかしてこなかった・・・

「子育てが一段落したら、何をしよう?」
「今までの経験を、何か仕事につなげられないかな?」

そんなことを考えたことはありませんか?

私は、ベビーサイン協会の運営をしながら、ずっと感じていることがあります。

それは、

子育て経験は、ちゃんと誰かの役に立つ。

ということ。

「資格を取って仕事にしたい」だけじゃない

ベビーサイン講師を目指す人には、いろいろな人がいます。

保育士さん。
助産師さん。
子育て中のママ。
子育てを終えた人。
会社員をしながら、もう一つの仕事を始めたい人。

そして、

「赤ちゃんが好きだから」

という、とてもシンプルな理由で来る人もいます。

最初から、
「私は講師になります!」
と強い決意を持っている人ばかりではありません。

むしろ、

「ちょっと興味があります」
「自分にもできるかな?」

くらいのところから始まる人もたくさんいます。

でも、講師になると見える景色が変わる

ベビーサイン講師の仕事は、単にサインを教える仕事ではありません。

赤ちゃんを見ます。
ママの話を聞きます。
「この親子には、今どんな関わりが必要だろう?」と考えます。
赤ちゃんが初めてサインを見せてくれた瞬間に、一緒に喜びます。
「昨日までできなかったことが、今日できた!」という成長を、ママと一緒に喜ぶこともあります。

つまり、

赤ちゃんとママの「できた!」に立ち会う仕事。

それが、私が20年以上見てきたベビーサイン講師という仕事です。

「子育てしかしてこなかった」は、本当に「しか」なのか?

私は、ここにちょっと違和感があります。

「子育てしかしてこなかったから……」

という言葉。

でも、子育てって、

人を観察する。
相手の気持ちを想像する。
うまくいかなければ方法を変える。
小さな変化に気づく。
相手に合わせて伝え方を変える。

毎日、これを繰り返しているんですよね。

もちろん、講師になるためには専門的な学びが必要です。

だからこそ、私たちは8日間の講師育成プログラムを用意しています。

でも、そのスタート地点にある「子育て経験」は、おっきなプラスになります!

「経験」を「専門性」に変える

講師育成プログラムで学ぶのは、ベビーサインだけではありません。

赤ちゃんの発達。

ベビーサインの知識。

サインの技術。

親子への伝え方。

教材の使い方。

教室の作り方。

そして、実際に人前で教える経験。

これらを一つずつ積み重ねて、

「子育てをしてきた私」

から、

「子育て経験と専門知識を生かして、親子にベビーサインを伝える私」

へ。

変わっていく。

私は、ここに講師育成の意味があると思っています。

最初から「先生」じゃなくていい

「人前で話すのが苦手です」

「自信がありません」

という方もいます。もちろんです。

最初から上手に話せる人ばかりではありません。

講師育成では、実際にデモレッスンをして、フィードバックを受けます。

やってみる。

うまくいかない。

教えてもらう。

もう一度やってみる。

その繰り返しの中で、少しずつ「伝えられる人」になっていく。

だから私は、

「最初から講師らしい人」を探しているわけではありません。

「赤ちゃんとママに、ベビーサインを届けたい」

その気持ちを持っている人と出会いたいと思っています。

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9月14日、新しい8日間が始まります

ベビーサイン講師育成プログラムは、8日間。

短いようで、きっといろいろぎゅっと詰まった8日間です。

「ベビーサインって何?」

から始まり、

最後には、

「私も伝えていきたい」

というところまで進んでいきます。

もし今、

「何か新しいことを始めたい」

「今までの経験を誰かの役に立てたい」

「自分らしくできる仕事を見つけたい」

と思っているなら。

いきなり「講師になる」と決めなくてもいい。

まずは、

「こんな働き方があるんだ」

と知るところからでもいいと思います。

9月14日から、新しい講師育成プログラムが始まります。

この8日間が、あなたのこれからの働き方を考えるきっかけになったら嬉しいです。

【ベビーサイン講師育成プログラム詳細はこちら】

2026.08.18「ベビーサインの基礎講座ですか?」という質問をいただいて、改めて伝えたいこと。

先日、今回の「ベビーサインサポーター講座」について、こんなご質問をいただきました。

「これは資格ではないんですよね?
ベビーサインの基礎がわかるっていう理解で合っていますか?」

この質問をいただいて、

「あちゃー、私の発信では全然伝わってない・・・。」って反省したんです。

たしかに、講座の名前には
「ベビーサインサポーター講座」
と書いてあります。

そして、実際に講座の中ではベビーサインについても学びます。

でも。

今回、私が本当に届けたかったのは、
「ベビーサインの知識」だけではありません。(実際、そんな情報はネット上にあふれていますよね)

ベビーサインを入り口に、赤ちゃんを見る

私は20年以上、ベビーサインを伝えてきました。

その中で、たくさんの赤ちゃんとご家族に出会ってきました。

そして、長く続けてきたからこそ、だんだんと強く思うようになったことがあります。

それは、

赤ちゃんとのコミュニケーションを考えるとき、おしゃべりできない時期の大人の関わり方がカギだ!

ということ。

赤ちゃんは、おしゃべりできなくてもきっとなんかいろいろ伝えたいことあるんだろうな~くらいはきっと、多くの人が想像できると思うんです。

でも、じゃあ、どうやって大人が関わることが大切なのか?ってなると、「おしゃべりできない」っていう前提条件が邪魔をしませんか?

相手がおしゃべりできない赤ちゃんだと、分かっているんだろうけど、反応が「話し言葉」で返ってこないから
・なんとなくわかった風に相手をしたり
・結局何をどうして欲しいのかがわからない毎日だったり

・
・
・

そうすると、

「早くおしゃべりしてくれないかな」
「話始めるまで待つしかないよね」

っという考えがもしかしたら、日々の育児を大変にしていないでしょうか?
専門職の方においては、そんな「話せない時期」を楽しめていない親御さんが周りにいませんか?

だから、ベビーサインも、発達や愛着についても学びます

今回の講座では、

ベビーサインの始め方だけを説明しているわけではありません。

なぜ赤ちゃんとの関わりが大切なのか。

2歳までに大切だと言われている「心の安定」とは何なのか。

赤ちゃんの「伝えたいのに伝えられない」というフラストレーションについて。

イヤイヤ期とベビーサインの関係。

ベビーサインと話し言葉の発達について。

「ベビーサインを使い続けたら、話さなくなるのでは?」

という疑問について。

そして、話し始めたあとにも続くベビーサインのメリットについて。

全8回を通して、こうしたことを一つずつ考えていきます。

つまり、

「ベビーサインを覚える講座」ではなく、
ベビーサインを入り口に「赤ちゃんを理解する視点」を学ぶ講座。

それが、今回私が作りたかったものです。

「資格」ではなくても、学ぶ意味がある

そして、もう一つ。

この講座は、ベビーサイン教室を開講するための資格を取得するための講座ではありません。

でも私は、専門職の方にとって、

資格にならない学びにも、大きな意味がある

と思っています。

保育士さんが、保育の中で赤ちゃんを見る視点を一つ増やす。

助産師さんが、退院するママにこれからの育児を楽しみにしてもらえるような声かけを一つ増やす。

子育て支援に関わる方が、保護者からの

「ベビーサインって、実際どうなんですか?」

という質問に、自分の言葉で答えられるようになる。

そんなふうに、今持っている専門知識に、もう一つ引き出しを増やす。

そのための講座です。

ベビーサインを通して、

「赤ちゃんって、こんなにいろんなことを考えているんだ」

「こんなことまで伝えようとしているんだ」

と、大人の側の見方が変わっていく。

「話始めるまで、待たずにこんなに楽しめることがあるんだ!」

を知ること。

そのことに、ベビーサインの大きな価値があると思っています。

だから今回、

「赤ちゃんを理解する専門職講座」

という言葉を、前面に出すことにしました。

正式名称は、

赤ちゃんを理解する専門職講座
(ベビーサインサポーター講座)

です。

赤ちゃんや保護者と関わる専門職の皆さんに、

今まで学んできた専門知識に加えて、

「赤ちゃんを見る、もう一つの視点」

を持っていただけたら。

そんな思いで作った8本です。


発売記念価格9,800円でお申し込みいただけるのは、8月20日まで。

その後、一旦販売を終了し、再販は9月中旬以降を予定しています。そのときは通常価格12,800円での販売になります。

「ベビーサインって実際どうなんですか?」

そんな質問に、自信を持って答えられる専門職になりたい。

そう思ってくださる方に、ぜひ届いてほしい講座です。
(お申し込み時に記入できる紹介コードはpa0001でどうぞ)

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