2025.07.14「動画じゃ言葉は育たない」って本当?科学が教える赤ちゃんの学び方
0・1・2歳 頭と心と体を育てる
ベビーサイン教室
ベビーサイン協会代表理事&
ベビーサイン®の専門家
吉中みちるです。
赤ちゃんが「学ぶ」ときに必要なもの
皆さん、赤ちゃんって「言葉」をどうやって学んでいくのか知っていますか?
「言葉を聞いていれば、自然と話せるようになる」でしょうか?
実はそうではないことが、科学的にわかってきています。
アメリカの言語発達研究の第一人者、パトリシア・クール教授は、生後9ヶ月の赤ちゃんたちを対象に、こんな実験を行いました。
Patricia K. Kuhl, Feng‑Ming Tsao, Huei‑Mei Liu (2003)
“Foreign‑language experience in infancy: effects of short‑term exposure and social interaction on phonetic learning”,
Proceedings of the National Academy of Sciences, 100(15):9096–9101.
研究内容のまとめ
-
対象:米国在住の9〜10ヶ月の赤ちゃん。
-
方法:12回(1回約25分、月〜金隔週と4週間にわたり)研究室でマンダリンを聞くセッションを実施。
-
グループ①:生身のネイティブ話者(読み聞かせ+遊び)との対面。
-
グループ②:同じ内容を録音(音声のみ)で聴取。
-
グループ③:同内容を録画(音声+映像)で視聴。
-
結果→スクリーンでは赤ちゃんの「学びスイッチ」は入らない
-
対面グループだけが音素識別の能力が向上。
-
録音・録画グループは全く変化なし。
この実験から、私たちが学べるのはとてもシンプルなこと。
👉 赤ちゃんは、ただ音を聞いているだけでは言葉を学ばない
👉 人と人との“やり取り”がある時に、学びのスイッチが入る
スマホやテレビで動画を流しておいても、それは**「コミュニケーション」ではない**のです。
赤ちゃんにとって必要なのは「やり取り」
ベビーサインは「スクリーンを超える体験」
ベビーサインを通して生まれるのは、言葉そのもの以上の体験です。
ママやパパと笑い合ったり、わかり合えたりする心のやり取りが、赤ちゃんの脳と心を刺激し、育てていきます。
映像や録音ではできない、「今ここで、あなたとつながっている」体験。それこそが、赤ちゃんがことばを学ぶ土台になるのです。
まとめ:スクリーンでは育たないものを、あなたの手で
赤ちゃんにとって、一番の教材は「ママ」「パパ」そして育児に関わるすべての人たちです。
声、表情、手の動き…それら全部が、赤ちゃんにとっての生きた学びです。
動画を見せているだけでは育たない、でも、抱っこして、目を合わせて、優しく語りかけるだけで、赤ちゃんはどんどん言葉の世界に近づいていきます。
ベビーサインを、ぜひその“はじめの一歩”にしてみてくださいね。
***************
あなたも、愛の贈り物を届ける側になってみませんか?
ベビーサイン講師として、一歩踏み出してみたい方は、ぜひこちらをご覧ください。
↓資料請求はこちら↓
最近の記事
- 「動画じゃ言葉は育たない」って本当?科学が教える赤ちゃんの学び方「動画じゃ言葉は育たない」って本当?科学が教える赤ちゃんの学び方
- 「人類の最先端にいる君へ」赤ちゃんに惚れる育児はベビーサインから始まる「人類の最先端にいる君へ」赤ちゃんに惚れる育児はベビーサインから始まる
- 赤ちゃんが生まれて、親になる──私たちの出発点赤ちゃんが生まれて、親になる──私たちの出発点
- 子どもの“言い間違い”が天才すぎて笑えるランキングTOP10子どもの“言い間違い”が天才すぎて笑えるランキングTOP10
- スマホばっかり見てるのは、子ども?それとも…?スマホばっかり見てるのは、子ども?それとも…?