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2026.06.21スクリーンタイムが悪いのではない。失われる「やりとり」が問題だった

子育てをしていると、スクリーンタイムって悩ましい問題ですよね。

 

「テレビは見せない方がいい」
「YouTubeは発達に悪影響」
「スマホ育児は危険」

 

そんな言葉を見るたびに、

「じゃあ、どれくらいなら大丈夫なの?」
「少し見せてしまった私はダメな親なの?」

と不安になる方もいるかもしれません。

 

実は最近の研究を読んでいて、とても興味深いことを知りました。

 

それは、

スクリーンタイムそのものが問題なのではなく、その時間に失われる親子のやりとりこそが重要なのではないか

ということです。

 

研究者たちは何を見つけたのか

2023年に発表された研究では、幼児のスクリーンタイムと発達の関係について調べました。

 

その結果、

スクリーンタイムが長い子どもほど、

・言語発達が低い傾向がある
・親子の関係性に影響がみられる

ことが確認されました。

 

ここまでは、これまでにもよく聞く話ですよね?!

ところが研究者たちはさらに分析を進めました。

すると、スクリーンタイムと発達の関係の間には、

・親子での読み聞かせ
・親子の会話
・一緒に遊ぶ時間

が大きく関係していることがわかったのです。

 

つまり、

「スクリーンを見ているから発達に悪い」

という単純な話ではなく、

「スクリーンを見る時間が増えることで、親子が関わり合う時間が減ってしまう」

ことが問題だったのです。

私はこの結果を読んで、とても納得したんですよ!

 

赤ちゃんは”やりとり”で育つ

赤ちゃんは、一人で育つことはできませんよね。

お腹が空けば泣き、
抱っこしてもらえば安心し、
笑いかけてもらえば笑い返します。

 

生まれたその日から、

「誰かとのやりとり」

の中で育っています。

そして生後9〜10か月頃になると、そのやりとりはさらに大きく変化します。

 

赤ちゃんは、

ママと自分だけの関係から、

ママ・自分・モノ

という三項関係を持てるようになります。

 

例えば、おもちゃを見て、

「ねえ、見て!」

というようにママの顔を見ます。

 

ママも同じおもちゃを見て、

「本当だね!」

と応えます。

 

この、

同じものに注目し、
気持ちを共有する経験を

共同注意

と呼びます。

 

実は、言葉の発達も社会性の発達も、この共同注意の積み重ねの上に育っていくことがわかっています。

 

読み聞かせが良いのはなぜ?

私はこれまで20年以上、ベビーサインを通してたくさんの親子を見てきました。

 

その中で感じるのは、

読み聞かせが良い理由は、絵本そのものにあるのではない

ということです。(あっ、もちろん、絵本を否定しているわけでも、内容の善し悪しについて議論したい訳でもありません)

 

もちろん絵本は素晴らしいものです。

でも本当に大切なのは、

ママと赤ちゃんが同じページを見ること。

犬の絵を見て、

「ワンワンだね」

と気持ちを共有すること。

 

ページをめくって、

「次は何かな?」

と一緒にワクワクすること。

 

つまり読み聞かせとは、

親子の共同注意の時間なのです。

だからこそ研究でも、読み聞かせが発達を支える大切な要素として現れてくるのでしょう。

 

ベビーサインもまた「やりとり」を増やす

私は研究結果を読みながら、

「これはベビーサインにも通じる話だな」

と思いました。

 

まだ、おしゃべりできなくてもベビーサインで

赤ちゃんは

「あれ見て!」
「もっと!」
「わんわん!」

と、自分の気持ちを伝えようとします。

 

すると大人は、

「そうだね、犬だね」
「もっと欲しいんだね」

と応えます。

 

そこには必ず、

相手を見る、
気持ちを受け取る、
気持ちを返す、

というやりとりがあります。

 

ベビーサインの価値は、単に言葉が出る前に意思表示できることだけではありません。

親子のやりとりを増やし、
共同注意の機会を増やし、
お互いの気持ちを共有する時間を増やしてくれること。

そこにあるのではないかと思うんです。

 

スクリーンを減らすより大切なこと

私は「スクリーンを一切見せるな」と言いたいわけではありません。

今の時代、それは現実的ではないでしょう。(でも、実は2歳までは0時間が推奨です!)

 

それよりも大切なのは、

今日一日の中で、

赤ちゃんと一緒に笑った時間はあったかな?

同じものを見て、

「見てごらん」

と指差した時間はあったかな?

絵本を読んだかな?

ベビーサインを見せたかな?

そんなことなのかもしれません。

 

研究が教えてくれたのは、

子どもの発達を支えるのは情報ではなく、

人とのやりとり

だということ。

 

そしてそのやりとりは、

特別な教材や特別な環境がなくても、

毎日の暮らしの中で育てていくことができるのです。