2026.06.22読み聞かせが発達を支える本当の理由
前回の記事では、
スクリーンタイムが問題なのではなく、その時間に失われる親子のやりとりが発達に大きく影響するのではないか、という研究をご紹介しました。
中でも、私は「読み聞かせ」と「ベビーサイン」は特別だと思うんですが、今日は「読み聞かせ」について少し考えてみたいと思います。
まず、読み聞かせって何がいいんでしょうか?
絵本を読むことで語彙が増えるから?
知識が増えるから?
もちろん、それもあリますよね。
でも私は、それだけでは説明できない魅力が絵本にはあると思っています。
絵本は何度でも同じ世界に戻れる
赤ちゃんは毎日たくさんのものを見ています。
犬を見たり、
猫を見たり、
飛行機を見たり。
でも現実の世界は忙しいものです。
犬は走り去ってしまいます。
飛行機はあっという間に空の向こうへ消えてしまいます。
赤ちゃんが
「今の何?」
と思った頃には、もうそこにはありません。
ところが絵本は違います。
昨日見た犬が、今日もそこにいます。
何度ページを開いても同じ場所にいます。
赤ちゃんが気になったところでページを止めることもできます。
戻ることもできます。
何度でも繰り返すことができます。
大人にとっては当たり前のことですが、実はこれがとても大きな意味を持っています。
「わかった!」を積み重ねられる
赤ちゃんは一度見ただけで全てを理解するわけではありません。
同じものを何度も見て、
同じ言葉を何度も聞いて、
少しずつ意味を理解していきます。
「ワンワン」という言葉も、
一度聞いただけでは覚えられません。
でも絵本の中で何度も犬を見て、
大人が
「ワンワンだね」
と言ってくれる。
すると少しずつ、
絵本の中の犬と「ワンワン」という言葉が結びついていきます。
絵本は、赤ちゃんにとって
「わかった!」
を積み重ねられる場所なのです。
絵本は親子の会話を生み出す
もうひとつ、私が絵本の素晴らしいところだと思うのは、
会話のきっかけをたくさん作ってくれることです。
例えば、
りんごの絵があれば、
「りんごだね」
と言えます。
電車の絵があれば、
「おっ!○○ちゃんの大好きな電車だ」
って言えます。
動物の絵があれば、
鳴き声をまねすることもできます。
まだ話せない赤ちゃん相手でも、
大人は自然にたくさん話しかけています。
そして赤ちゃんも、
表情を変えたり、
指をさしたり、
声を出したりして応えます。
絵本を読んでいる時間というのは、
実は「読む時間」であると同時に、
「会話する時間」でもあるのです。
大切なのは上手に読むことではない
講演会などで、
「読み聞かせが苦手なんです」
と言われることがあります。
でも私は、
絵本は上手に読まなくてもいいと思っています。
感情を込めて読まなきゃ。
声色を変えなきゃ。
最後まで読まなきゃ。
そんなふうに考えなくても大丈夫です。
赤ちゃんが気になるページで止まってもいい。
同じページばかり見てもいい。
途中で閉じてもいい。
もちろん、最後まで読めなくてもOK!
大切なのは、
親子で同じ世界を楽しむこと。
その時間を共有することです。
読み聞かせは「本を読むこと」ではない
私は20年以上、ベビーサインを通してたくさんの親子を見てきました。
その中で感じるのは、
読み聞かせとは、
本を読むことではなく、
親子で一緒に世界を楽しむことなのではないか、
ということです。
だから赤ちゃんは、
お気に入りの絵本を何十回読んでも飽きません。
物語が好きなのではなく、
その時間が好きなのです。
ママやパパと一緒に笑ったり、
驚いたり、
「見て見て!」
を共有したりする時間が好きなのです。
次回予告
ところで、ベビーサイン協会が行ったアンケートでは、
ベビーサインで育った子どもの91%が「絵本(本)が好き」に育ったと回答してくれました。
なぜそんなに多くの子どもたちが本好きに育ったのでしょうか。
私はそこにも、親子のやりとりが関係しているのではないかと思っています。
次回は、
「ベビーサインで育った子どもの91%が本好きだった理由」
について考えてみたいと思います。
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