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2026.08.04脳を育てる最初のT「Tune In」とは?

「子どもの興味に合わせましょう。」

子育てや保育の世界では、よく耳にする言葉です。

でも、『3000万語の格差』(ダナ・サスキンド著)でサスキンド博士が伝えたかったのは、「子どもに合わせる」ということではありません。

「子どもの世界に入ること」。

これこそが、3つのTの最初のT、「Tune In」の本当の意味なのです。


Tune Inとは「子どもの世界に周波数を合わせること」

「Tune In」は、ラジオのチューニングと同じ言葉です。

周波数をぴったり合わせると、雑音が消え、音がクリアに聞こえます。

子どもとのコミュニケーションも同じです。

大人が自分の伝えたいことを話すのではなく、まずは子どもが今、何を見ているのか、何に夢中なのか、その世界に親の意識をチューニングする。

それがTune Inです。


絵本を読むより、大切なこと

本の中で、とても印象的な場面が紹介されています。

親は「絵本を読んであげたい」と思っています。

ところが子どもは、床で積み木遊びに夢中です。

ここで、

「さあ、今から絵本読もう!」

と積み木をやめさせることもできます。

もちろん、それが悪いわけではありません。

でも、サスキンド博士は別の選択肢を示します。

親が子どもの隣に座り、

「すごいね、高く積めたね。」

「次はどこに置くの?」

と、一緒に積み木の世界へ入っていく。

子どもが望んでいるのは、

「今、私が見ている世界を、一緒に見てほしい。」

ということなのです。


たった5分でも脳は育つ

本には、こんな一節があります。

子どもが集中している世界の中で保護者が一緒に遊べば、たとえそれが5分で終わったとしても、脳の発達には役立つ!

なぜでしょうか。

子どもは、大人のように自由に注意を切り替えることが得意ではありません。

夢中になっている積み木から、急に絵本へ。

遊びから食事へ。

その切り替えには、大きなエネルギーが必要なんですって!(そんな、切り替えにエネルギーがいるなんて、考えてみたこともなかったわ~)

だからこそ、大人が子どもの世界へ入ることは、子どもの脳に余計な負担をかけずにコミュニケーションを深める方法でもあるのです。


Tune Inは「観察」から始まる

サスキンド博士は、Tune Inを支える土台として、

  • 観察する

  • 解釈する

  • 行動する

という3つのステップを紹介しています。

まず子どもをよく見る。

何を見ているのかな。

何を伝えたいのかな。

そう考えてから言葉をかけたり、一緒に遊んだりする。

これは単なる「声かけのコツ」ではありません。

子どもの発信に応答する姿勢そのものです。


最新の乳幼児発達研究ともつながる

この考え方を読んで、私はすぐにいくつかの研究が頭に浮かびました。

ハーバード大学が提唱するServe and Return

子どもの発信に大人が応答することが、脳の神経回路を育てるという考え方です。

また、**共同注意(Joint Attention)**の研究でも、大人と子どもが同じものに注意を向ける経験が、言葉や社会性の発達につながることが知られています。

サスキンド博士の「Tune In」は、こうした研究成果を、誰もが家庭で実践できる形にしたものなのだと感じました。


私が感じたこと

この章を読んでいて、一番印象に残ったのは、

「子どもに何を教えるか」よりも、「子どもが今見ている世界を、大人も一緒に見ること」が先なのだ

ということでした。

大人は、つい「次はこれをしよう」「これを覚えてほしい」と考えてしまいます。

でも子どもの脳は、興味をもった世界の中でこそ、もっともよく学びます。

だから、まずは大人が子どもの世界へ入る。

そこから言葉も、学びも、信頼関係も育っていくのです。

あーーーすべてベビーサインにつながってわ!


次回は「Talk More」を読み解きます

「3000万語の格差」というタイトルから、多くの人は「たくさん話しかけること」が大切だと思うかもしれません。

でも、サスキンド博士がいうTalk Moreは、単に話す量を増やすことではありません。

「どんな言葉を、どんなタイミングで届けるのか」。

そこにも、乳幼児発達の研究に裏づけられた大切な考え方がありました。

次回は、2つ目のT「Talk More」を一緒に読み解いていきたいと思います。