2025.06.09言葉の発達に影響⁉ 長時間のおしゃぶり使用がもたらす意外な結果とは?
「皆さん、おしゃぶりって使ってますか?」
0・1・2歳 頭と心と体を育てる
ベビーサイン教室
ベビーサイン協会代表理事&
ベビーサイン®の専門家
吉中みちるです。
おしゃぶり、便利だけど…?
おしゃぶりは赤ちゃんを落ち着かせるのにとても便利なアイテム。
夜泣きのときや、泣き止まない時など、助けられたパパ・ママも多いはず。
・
・
・
・
・
だけど、私、二人の子育てに使わなかった派!
どうしてかというと、あれ、ちゅぱちゅぱしても何も出てこないですよね?!ちゅぱちゅぱして本当ならおっぱいやミルクが出てくるのに!って赤ちゃんが期待してたら、なんとも失礼な事をしているな!!!って思ったので、私、使わなかったんです。
赤ちゃんにしてみたら、ちゅぱちゅぱしても、なんの変化もないやん!
ってなるかな~と(苦笑)
と、私の話はおいといて・・・・
実は、長期間・長時間の使用が、赤ちゃんの「ことばの発達」に影響を与えるかもしれない、という研究結果が出ているのです。
ノルウェーの1,000人以上の乳児で調査
この研究はノルウェーのオスロで実施されました。
対象は12か月と24か月の赤ちゃん、合計1187人。
赤ちゃんはいずれも健康で、単一言語環境(ノルウェー語)で育てられていました。
保護者はオンラインで「CDI(Communicative Development Inventory)」という発達調査に回答し、赤ちゃんの語彙理解・語彙表出の量を報告しました。
さらに、生後2か月ごとのおしゃぶり使用時間も申告。
これにより、おしゃぶりの「累積使用時間(Lifespan Pacifier Use)」がわかるように設計されていました。
(引用:Muñoz, Kartushina, & Mayor, 2024, Developmental Science)
わかったこと①:おしゃぶり使用が多いほど語彙が少ない
結果は衝撃的でした。
🔸おしゃぶりの使用時間が長いほど、語彙サイズが小さい傾向
🔸特に12か月児では、「聞く言葉(理解)」と「話す言葉(発話)」両方に影響
🔸24か月児では、「話す語彙」だけに明確な影響がありました。
つまり、おしゃぶりの使用が多いと、赤ちゃんが「聞いて覚える」「まねして話す」力が育ちにくくなる可能性があるのです。
わかったこと②:遅くまで使う方がリスクが高い
研究チームは特に注目すべき点として、「いつまで使っているか」に注目しました。
🔹早いうちにやめた赤ちゃんより、長く使い続けた赤ちゃんの方が語彙が少ない傾向
🔹特に2歳の誕生日直前の2か月間におしゃぶりをよく使っていた子は、「語彙が少ないグループ」に入る確率が高かったのです。
なぜ言葉の発達に影響があるの?
赤ちゃんが言葉を覚えるとき、口の動き(発音の練習)や周囲の声に集中することがとても大切です。
でもおしゃぶりをくわえていると…
✅ 舌や唇が自由に動かない
✅ 声を出してまねすることが少なくなる
✅ 表情や口の形を観察しにくくなる
こうした要素が積み重なり、「言葉の入力(聞く)・出力(話す)」のどちらにもブレーキをかけてしまう可能性があるのです。
まとめ:使うなら“メリハリ”を!
この研究は、「おしゃぶり=悪」ではないことも強調しています。
短時間の使用や、寝かしつけ時など限定的な使い方なら、赤ちゃんにとって安心材料にもなります。
ただし、言葉を覚え始める1歳ごろから、使い方にはちょっと気をつけて。
💡おすすめの工夫:
-
起きている間はなるべく使わない
-
会話や歌、ベビーサインなど“言葉の刺激”をたくさん与える
-
ごっこ遊びや絵本読み聞かせを通じて、口を動かす機会を増やす
📚出典・参考文献
Muñoz, L. E., Kartushina, N., & Mayor, J. (2024). Sustained pacifier use is associated with smaller vocabulary sizes at 1 and 2 years of age: A cross-sectional study. Developmental Science.
https://doi.org/10.1111/desc.13472(※元論文リンク)
あなたも、愛の贈り物を届ける側になってみませんか?
ベビーサイン講師として、一歩踏み出してみたい方は、ぜひこちらをご覧ください。
↓資料請求はこちら↓