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2026.08.05「たくさん話しかければいい」は誤解? 2つ目のT「Talk More」が本当に伝えたいこと

「赤ちゃんには、たくさん話しかけましょう。」

子育て中、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。

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『3000万語の格差』というタイトルからも、「話す量」が大切なのだと思われがちです。

でも、ダナ・サスキンド博士が3つのTの2つ目として紹介するTalk Moreは、単純に言葉数を増やすことではありません。

大切なのは、「どんな言葉を、いつ届けるか」。

その前提には、前回ご紹介したTune Inがあります。


Talk Moreは、Tune Inがあって初めて意味をもつ

子どもが積み木に夢中になっているとします。

そのときに、

「今日はお天気がいいね。」

「スーパーで何を買おうかな。」

と話しかけても、子どもの脳にはあまり届きません。

一方で、

「すごく高く積めたね。」

「次はどこに置く?ここ?」

「これは、青い積み木だね。」

そんな言葉ならどうでしょう。

子どもが見ているもの、感じていることに寄り添った言葉は、その子の世界とつながっています。

だからこそ、意味のある言葉として届くのです。

Talk Moreとは、「たくさん話すこと」ではなく、子どもの世界を言葉で豊かにしていくことなのです。


「実況中継」が語彙を育てる

乳幼児は、自分が体験していることと結びついた言葉を覚えやすいことが知られています。

例えば、公園で、犬を見かけたら、

「わあ、大きな犬だね。」

「しっぽを振っているね。」

「わっ、走ったよ。早いね~」

食事中だったら、

「これはね、人参。」

「シャキシャキするね。」

「甘いね。おいしいね。」

こんな感じ。これは単なる説明ではありません。

子どもが今まさに体験している世界に、大人が一緒に入って、言葉で表現してあげてるんです。

語彙は、辞書のように暗記して増えるものではありません。
私たちがかつて、英語を覚えるときにも、ただ、単語を丸暗記するよりも、
実体験を通した方が、ずっとわかりやすく、身につきましたよね。

子どもの言葉も、経験と言葉が結びつくことで、少しずつ育っていくんです。


「赤ちゃん言葉」は、幼稚だから使うのではない

本の中で印象的だったのが、「赤ちゃん向けの話し言葉」についての説明です。

高めの声。

ゆっくりした話し方。

抑揚のあるリズム。

短く、繰り返しの多い表現。

「お母さん語」とか、「マザリーズ」と言われるこの話し方は、大人同士ではあまり使わない話し方ですが、世界中の文化で共通して見られることが知られています。

これは、赤ちゃんを子ども扱いしているからではありません。

赤ちゃんが言葉に注意を向けやすくなるように、自然と工夫された話し方なのです。

つまり、「赤ちゃん言葉」は目的ではなく、子どもに言葉を届けるための手段なのです。


話す量より、「やり取り」の中で話すこと

Talk Moreを読んでいて、私が改めて感じたのは、

言葉は、関係の中で育つ。

ということでした。

大人が一方的に説明するだけではなく、

子どもの表情を見て、

反応を待ち、

また言葉を返す。

そんなやり取りの中で、言葉は生きた意味を持ち始めます。

だからTalk Moreは、「話すこと」ではなく、「つながること」なのだと思います。


私が感じたこと

「3000万語の格差」というタイトルだけを見ると、「量」が重要なのだと思ってしまいます。

でも、本を読み進めるほどに感じるのは、サスキンド博士が伝えたかったのは量ではなく質だということです。

もちろん、言葉が豊かな環境は大切です。

でも、その言葉は子どもの世界と結びついていなければ、本当の意味では豊かな言葉環境とは言えません。

まずTune Inで子どもの世界に入る。

そしてTalk Moreで、その世界を言葉で豊かにする。

この2つは、切り離せないものなのだと感じました。


次回は「Take Turns」

最後のTはTake Turns

直訳すると「順番にやり取りする」。

一見すると当たり前のことのようですが、この「やり取り」こそが、子どもの脳の発達に大きな影響を与えることが、多くの研究で示されています。

そして私は、この章を読みながら何度もあるコミュニケーション方法を思い浮かべました。

それは、「まだ言葉を話せない赤ちゃん」とも自然にやり取りを生み出せる方法です。みんな分かってますよね?!

その話は、次回ご紹介したいと思います。