2026.09.09親子の時間は、思っているよりずっと短い
先日、SNSでこんな「親子の数字」を見かけました。
・親子の時間の8割は18歳までに終わる
・一緒に眠れるのはたった10年ほど
・手をつないで歩けるのは9歳ごろまで
・子どもと過ごす夏休みは12回
・「遊ぼう」と誘ってくれるのは10年間だけ
・子育ては平均すると8,760日
……こうやって数字にされると、ちょっとドキッとしますよね。
「え、そんなに短いの?」
と思ってしまいます。
ただ、この数字について調べてみると、出典がはっきりしないものも多く、私はそのまま「科学的な事実」として紹介するのは違うなと思いました。
それに、SNSで見かけた数字がこれだからといって、わが家も同じになるとは限らないですしね。
でも。
「親子の時間は、ずっと同じ形で続くわけではない」
これは、確かにそうなんだと思います。
親子で一緒に過ごす時間は、実際に減っている
2025年にシチズン時計が、小学生の子どもを持つ共働き夫婦400組を対象に「親子のふれあい時間」を調査しています。
それによると、親子で一緒に過ごす時間は、
平日:2時間19分
休日:4時間19分
でした。
しかも、2012年の同じ調査と比べると、
平日は41分減少。
休日は70分減少。
親子で一緒に過ごす時間は、13年前より短くなっていました。
もちろん、これは「親子の時間が減ったから、もっと一緒にいなければ!」という話ではありません。
仕事もある。
学校もある。
習い事もある。
子どもにも子どもの世界ができていく。
親子がずっと一緒にいることが、必ずしもいいわけではありません。
むしろ、子どもが成長して親から少しずつ離れていくことは、とても自然なことです。
「一緒にいる時間」より、私が気になること
私は、子どもたちがもう大人になった今だからこそ思うことがあります。
子育てをしている真っ最中は、
「今日もちゃんとご飯を食べさせなくちゃ」
「明日の準備をさせなくちゃ」
「宿題やった?」
「早く寝なさい!」
そんなことで一日が終わっていきます。
親子で過ごす時間を、
「どれくらい長くできたか」
なんて、ほとんど考えたことなんてなかった気がします。
でも、振り返ってみると記憶に残っているのは、意外と特別な日ではありません。
一緒に愛犬の食事をのぞき込んで見たこと。
車の中で延々としりとりをしたこと。
保育園からの帰り道、しゃがみ込んで水路に石を投げたこと。
「見て!見て!」と言われて、振り返ると大抵工事現場の重機だったこと。
「すごいね~」と言いながらもってくるのは、私の苦手だった昆虫ばかりだったこと。
何気ない日常の中にあった、小さなやりとりです。
子どもとの時間は「長さ」だけでは測れない
乳幼児期の子どもとの関わりを考えるとき、私はここがとても大切だと思っています。
親子の時間を、単純に「何時間一緒にいたか」だけで考えないこと。
たとえば、ママ友とのお出かけに3時間、子どもを付き合わせたという日と、忙しくて15分しかなかったけど、絵本を見ながらいっぱいおしゃべりした日。
どちらが子どもにとって、心が満たされるでしょうか?
ベビーサインで大切にしているのも、実はそこ
私がベビーサインを長年伝えてきて、今改めて思うのは、
ベビーサインは「教えるもの」というより、親子のやりとりを増やすきっかけになるもの
なのだということ。
たとえば、赤ちゃんが「もっと」とベビーサインで伝えてくれた。
ママは「もっと?欲しいの?」とサインと言葉で返す。
すると赤ちゃんがもう一度サインをする。
「もっと食べたいのね」
と確認しながら応える。
そんなほんの数秒のやりとりです。
でも、その中には、
「あなたが伝えたこと、ちゃんとわかったよ」
「あなたのことを見ているよ」
という親子のコミュニケーションがあります。
もちろん、ベビーサインを使わなくても、こうしたやりとりはできます。
大切なのは、サインの数でもありません。
何歳までに何個覚えたかでもありません。
子どもが何かを伝えようとしたときに、大人が気づいて応えてあげること。
その積み重ねこそが、親子の時間を豊かにしていくのだと思います。
「今しかない」と焦らなくてもいい
「子どもとの時間は今しかない」
そう言われると、親はちょっと焦ります。
もっと遊んであげなきゃ。
もっと話を聞かなきゃ。
もっと一緒にいなきゃ。
でも、私はもう少し肩の力を抜いてもいいと思っています。
子どもは成長します。
手をつながなくなる日も来る。
「一緒に寝よう」と言わなくなる日も来る。
「遊ぼう!」と誘ってくれなくなる日も来る。
そして、いつの間にか親とは別の世界を持つようになる。
それは、寂しいことでもありますが、
子どもがちゃんと成長している証でもあります。
だから、
「今しかないから、もっと頑張らなくちゃ」
ではなく、
「今、目の前にいるこの子と、ちょっとだけやりとりを楽しもう」
くらいでいいのかもしれません。
子どもとの時間は、確かに短い。
でも、その時間は「何年」という数字だけでは測れない。
「見て!」
「なあに?」
「これ!」
「ほんとだね」
そんな何気ないやりとりが積み重なって、親子の時間になっていく。
だから私は、
親子で過ごす時間を増やすことだけではなく、
今ある時間の中に、どんな「やりとり」を増やせるか。
そこを、これからも大切に伝えていきたいと思っています。








