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2026.07.27ベビーサインの教え方のコツはどこから?

前回の記事では、世界中の親が赤ちゃんに自然と話し方を変える「マザリーズ(お母さん語)」についてご紹介しました。

そして最後に、「実は手話にも、お母さん語があるんです。」というお話をしました。

今回は、その続きをお話ししたいと思います。

手話にも「お母さん語」がありました

2002年、主人と「親子で楽しむベビーサイン」を出版したとき、リサーチ熱心な主人は国内外の研究をたくさん調べてくれました。
(私一人で書いていたら、絶対に欠落していただろう部分です・・・)

そのときに出会ったのが、「手話を母語とするろうのお母さんたちが、赤ちゃんにどのように手話で話しかけているのか」という観察研究でした。

研究では、大人同士で会話をするときとは違う、赤ちゃんに向けた特別な伝え方が見られたのです。

例えば、

・サインをゆっくり見せる

・動きを少し大きくする

・同じサインを繰り返す

・表情を豊かにする

さらに、赤ちゃんが見ているタイミングを大切にしながら、コミュニケーションを進めていました。

音声には音声の「お母さん語」があるように、手話にも「手話版のお母さん語」があったのです。

私たちが知りたかったのは、「何を教えるか」ではありませんでした

20年以上前、私と主人が出会ったこの研究と考え方が、今もベビーサイン協会の大事な「教え方のコツ」として存在しています。

ベビーサインは大人が手の動きを覚えて、闇雲に見せていけば赤ちゃんが覚えてくれるわけではありません。

普段、使い慣れない「手の動き」というコミュニケーション手段を、まだ未熟な赤ちゃんに、わかりやすく丁寧に教えていく必要があります。

だから、

「赤ちゃんにとって、どう見せたら伝わりやすいのだろう?」

ということにこだわりました。

ベビーサインは、ただ手の形を見せれば伝わるものではありません。

赤ちゃんは、大人のように長時間集中できるわけではありませんし、視線もあちこちに移ります。

だからこそ、「伝え方」がとても大切だと考えたのです。

20年以上、大切に伝えてきた4つの考え方

私たちが大切にしていることは、特別なテクニックではありません。

赤ちゃんに寄り添うため、タイミングや視線に気をつけ、わかりやすく見せていくこと。そして、赤ちゃんがベビーサインをしてくれるようになったら、その受け止め方も大切にしています。

研究が、現場の実践に意味を与えてくれた

20年以上前、私たちは「赤ちゃんには、こうすると伝わりやすい」と感じながら実践を重ねていました。

その後、共同注意、マザリーズ、同期(Synchrony)、応答的なやり取り(Responsive caregiving)など、さまざまな乳幼児発達研究が進み、当時大切にしていた考え方と重なる知見が次々と報告されるようになりました。

もちろん、私たちの教え方が一つの研究だけから生まれたわけではありません。

ろうのお母さんたちから学んだこと。

現場で何千組もの親子と出会ってきた経験。

そして、その後に積み重ねられた乳幼児発達研究。

それらが重なり合って、今の教え方があります。

私は、研究は「新しいことを教えてくれるもの」だけではないと思っています。

長年現場で積み重ねてきた実践に、「なぜ、それが大切だったのか」という意味を与えてくれるものでもあるのです。