2026.07.01子どものやる気を育てる、本当の「ご褒美」とは?
前回の記事では、「アンダーマイニング効果」についてご紹介しました。
もともと好きだったことに外からご褒美を与え続けると、「好きだからやる」が「ご褒美のためにやる」に変わってしまうことがある、という心理学の研究です。
では、子どもの「もっとやりたい!」「もっと知りたい!」という気持ちは、いったい何によって育まれるのでしょうか。
私は、その答えは外から与えられるご褒美ではなく、子ども自身が感じる成功体験にあると思っています。
「できた!」
「わかった!」
「見つけた!」
「伝わった!」
そんな心が動く瞬間です。
大人から見ると小さな出来事でも、子どもにとっては次の一歩につながる大切な原動力になります。
赤ちゃんを見ていると、そのことがよく分かります。
まだ言葉を話せない赤ちゃんは、毎日、一生懸命に周りの人へ気持ちを伝えようとしています。
指を差したり、声を出したり、表情を変えたり。
そして、自分の気持ちにお父さんやお母さんが気づいてくれた瞬間、とてもうれしそうな表情を見せます。
「伝わった!」
この喜びがあるから、赤ちゃんはまた伝えようとします。
だからコミュニケーションは、誰かにやらされるものではなく、自分から何度でも挑戦したくなるものなのです。
ベビーサインも、まさに同じです。
赤ちゃんが何度もベビーサインを使うのは、ご褒美がもらえるからではありません。
サインをしたら、お母さんが笑顔で応えてくれる。
「りんごが欲しかったんだね。」
「わんわん、いたね!」
「もっと食べたいんだね。」
自分の思いが相手に伝わり、分かってもらえる。
その喜びそのものが、赤ちゃんにとって最高の”報酬”になっているのです。
そして、この「伝わった!」という経験は、単にコミュニケーションを楽しむだけではありません。
「もう一回やってみよう。」
「もっと伝えたい。」
「もっと知りたい。」
そんな気持ちを育てていきます。
私は、子どもの学びは、この小さな成功体験の積み重ねから始まるのだと思っています。
だから私たち大人が目指したいのは、「ご褒美で動く子」を育てることではありません。
子どもが自分の中で、
「楽しい!」
「できた!」
「分かった!」
「伝わった!」
そんな喜びを何度も味わえる環境をつくることではないでしょうか。
その積み重ねが、「もっとやってみたい」という内側から湧き上がる意欲を育て、生涯にわたって学び続ける力につながっていくのだと、私は信じています。
そして、おしゃべりできない時期からその意欲を育てる素晴らしいツールが「ベビーサイン」なんです。
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