2026.06.16“もっと!”は自己肯定感の始まり
0・1・2歳児保育を考える
― 小さな人を尊重する保育 ―
最近は、
「自己肯定感を育てたい」
という言葉をよく耳にしますね。
保育の現場でも、
子育ての情報の中でも、
自己肯定感は大切。
自己肯定感を高めよう。
そんな言葉があふれています。
もちろん私も、
自己肯定感は大切だと思っています。
でも、
自己肯定感って、
どうやって育つのでしょう。
「あなたは素晴らしいよ」
とたくさん褒められること?
できることが増えること?
成功体験を積むこと?
もちろんそれもあるかもしれません。
でも私は、
乳児期の自己肯定感の土台は、
もっとシンプルなところにあるような気がしています。
それは、
「自分の気持ちが伝わった」
という経験です。
例えば食事の時間。
赤ちゃんが【もっと】のベビーサインをします。
すると大人が、
「もっと食べたいんだね」
と受け取る。
そしておかわりが出てくる。
たったそれだけのこと!シンプルすぎる!!!
でも赤ちゃんの中では、
大きな出来事が起きているんですよ。
自分で伝えられた。
わかってもらえた。
そして自分の思いが叶った。
この一連の経験です。
私はここに、
自己肯定感の芽があると思うんです。
まだおしゃべりができない赤ちゃんにとって、
伝えたいのに伝わらない。
わかってほしいのにわかってもらえない。
という経験は日常すぎます。特にベビーサインがないと(涙)
赤ちゃんだけでなく、もちろん大人もわかってあげたい!と一生懸命です。
でも、
「お腹すいたのかな?」
「眠いのかな?」
「これが欲しいのかな?」
と想像するしかないことの方が多いのではないでしょうか?
そんな中で、
【もっと】

というサインが返ってきたら。
大人はそれを受け取れる。
赤ちゃんはそれがあるから伝えられる。
そこに小さな対話が生まれます。
私は長年ベビーサインを見てきましたが、
子どもたちは
「伝わる」
ことが大好きです。
一度伝わる喜びを知ると、
また伝えたくなる。
またやってみたくなる。
そして、ベビーサインの数だけ
どんどん世界が広がっていきます。
そしてそのたびに、
「伝わった!」
を積み重ねていくのです。
私は自己肯定感とは、
何か特別な言葉をかけてもらうことで育つものではなく、
「自分は無力じゃない!自分には人に働きかける力がある」
という感覚から育つものではないかと思っています。
手を動かしたら伝わった。
伝えたら応えてもらえた。
自分の思いには価値があった。
その積み重ねです。
だからベビーサインの【もっと】は、
単なる「おかわり」のサインではありません。
私は、
人生で最初の
「私は伝えられる」
という経験のひとつだと思っています。
そしてその経験は、
やがて言葉になり、
会話になり、
人との関係を築く力になっていきます。
自己肯定感というと、
つい難しく考えてしまいます。
でもその始まりは、
案外こんな小さなやり取りなのかもしれません。
【もっと】
その小さな手の動きの中には、
「私の気持ちを聞いて」
という願いと、
「伝わった!」
という喜びが詰まっているのです。
あっ、ベビーサイン教室のアンケートによると、
ほぼ100%の赤ちゃんが使えるようになるのも
この【もっと】のベビーサイン!
やらなくちゃ、もったいない!
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