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2025.11.07「なんで赤ちゃんは頭でっかちなの?」——人間だけがもつ“発達のデザイン”

赤ちゃんの頭って、大きくない?

 

生まれたばかりの赤ちゃんを見て、
「頭がおっきいな〜」と思ったこと、ありませんか?

実はそれ、気のせいではありません。

人間の赤ちゃんの体は、“頭でっかち”にできているんです。
でもそれは、ただの特徴ではなく——人間が人間らしく育つためのデザインなんです。

 

 

「頭身比」って知ってる?

 

“頭身比”とは、頭の大きさと体全体の比率のこと。

 

人間の赤ちゃんは、生まれたとき 約4〜5頭身
大人になると 7〜8頭身 になります。

 

では、ほかの哺乳類はどうでしょう?

 

人間の赤ちゃん→  約4〜5頭身  立つまで約1年、脳の発達が著しい
犬の赤ちゃん→   約6〜7頭身  数週間で歩きはじめる
馬の赤ちゃん→   約8〜9頭身  生後すぐに立ち上がる
キリンの赤ちゃん→ 約9頭身    数時間で走ることもできる

 

この表を見ると、人間の赤ちゃんだけが「極端に頭が大きく、体が未発達」な状態で生まれていることがわかります。そして、人間以外の哺乳類は赤ちゃんの時と大人になったときの頭身比にそんなに違いがないんですって!

 

 

なぜ人間だけ“頭でっかち”なの?

 

理由はずばり、脳の発達スピードが桁違いに早いから。

 

人間の脳は、生まれた時点でまだ発達の途中。
それでも、すでに体全体の1/4ほどを占める大きさがあります。

 

もしお腹の中で脳がもう少し発達してから生まれようとすると……
骨盤を通れなくなってしまうんです!

 

だから人間は、「まだ未完成な状態で生まれる」という進化の選択をしたのです。

 

 

“未完成”だからこそ育ちあえる

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、歩けないし、自分で食べることもできない。

でもその代わりに、大きな頭の中には“これから学び、感じ、話し、つながる力”が詰まっています。

 

この「未熟であること」こそ、ママやパパがそっと支え、寄り添いながら育っていくための人間らしい設計なんです。

 

 

「かわいい」の秘密は、進化のメッセージ

 

心理学では「ベビースキーマ(baby schema)」といって、
赤ちゃんの大きな頭やまるい顔、短い手足は、
大人の「守ってあげたい!」という気持ちを引き出すデザインだと考えられてるんですって!

 

つまり、赤ちゃんの“頭でっかち”は、生き延びるための進化のサインでもあるんです。

 

 

ベビーサインにもつながる「頭の中の成長」

 

人間の赤ちゃんは、体よりも先に脳とコミュニケーションの基盤が発達します。
まだ言葉は話せなくても、“理解しようとする力”“伝えようとする力”はどんどん伸びていくんです。

 

だからこそ、ベビーサインのように「アイコンタクトをしながら手の動きで気持ちを伝える」やりとりができるんです。

 

あの大きな頭の中では、ママやパパと通じあうための神経ネットワークが、
まさに急成長している最中なんですね。

 

 

おわりに

 

赤ちゃんの“頭でっかち”は、
ただの見た目の特徴じゃなくて——
人間の発達そのものを象徴する形です。

 

「未完成」であることは、弱さではなく、
成長の余白と、つながる力の証

 

今日もその大きな頭の中で、たくさんの「わかった!」「伝えたい!」が芽吹いているんですね。