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2025.12.11“なんであの子、こんなに意地悪?” — その背景にあるかもしれないこと

子育ての中で、ふとこんな思いをしたことはありませんか?
「なんでうちの子、こんなに意地悪なことをするの?」
実は、生まれつき「意地悪な子」はほとんどいないと思うのです。
その言動の裏には、多くの場合「感情を表現できなかった」「表現しても受け止めてもらえなかった」「条件付きでしか愛情を感じられなかった」という経験が影響している可能性があるそうです。心理学っていろいろ勉強すると面白いですね~今日は「お子さんが意地悪になるかもしれない?!原因」をご紹介しましょう。

 

  • 原因①:子どもの前で大人が人の悪口を言う
    「○○ちゃんってわがままだよね」「あの人、無理だわ…」など。ドキっ!!!言っちゃってますよね?!わたしも子どもの前で言ったことあるな~でも、子どもはそれを聞いて、「誰かを下げれば自分が優位」「相手をけなせば安心できる」と学ぶかもしれないんだって!

 

  • 原因②:子どもの感情を否定する/抑えさせる
    「泣かないで」「怒っちゃダメ」などと感情を否定するような言葉は、「自分の気持ちはダメなもの」と子どもに伝えてしまうそうです。そして「どうせわかってもらえない」と感じた子どもは、心を閉ざし、自分の感じた痛みを他者にぶつけることでしか発散できなくなるかもしれないって・・・悲しすぎますよね。

 

  • 原因③:条件付きの愛情
    「いい子のときだけ褒める」「いい結果だったらごほうび」「ちゃんとできたら好き、できなかったら嫌い」――。子どもの出来具合で対応を変えると、子どもは「自分の価値=結果」でしかないと感じ、「認めてもらうために必死」になったり、「認めてもらうために誰かをこらしめるとかおとしめる」という思考が芽生える可能性がありそうです。

 

こうした土壌があると、子どもは「意地悪」「自己中心」「他者への共感のなさ」といった態度を身につけやすくなる可能性が高くなるそうです。

 

ベビーサインが育む “感情の受け止め・表現の土台”
ここで、言葉がまだ十分でない「おしゃべりできない時期」に、ベビーサインを取り入れてみる――。
なぜそれが意味を持つのか? 理由を説明しますね。
🔹 言葉を待たず、「伝えたい」をキャッチできる
実際に、ベビーサイン育児の経験者への調査では、

 

  • 「赤ちゃんとの意思疎通ができている」

  • 「何もわかっていないと思っていたけど、赤ちゃんは意思を持っていた」

  • 「赤ちゃんが自発的に何かを伝えようとしていた」

 

と多くの保護者が感じているという報告があります。一般社団法人 日本ベビーサイン協会+ 1
つまり、言葉が出る前でも、赤ちゃんの「気持ち」「思い」をキャッチしてあげられる手段になる。
🔹 “自分の気持ちは通じる/通じた” という安心感が育つ
「伝えたい → 通じた → 受け止められた」という体験は、赤ちゃんにとって “自分は大切にされている/理解されている” という安心感や信頼感につながります。
この安心感は、将来、自分の気持ちを素直に表現したり、他者の気持ちに共感したりする土台になる可能性があります。たとえば、Robert W. ホワイト の「コンピテンス理論」が示すように、子どもに「できた」「通じた」という“成功体験”を与えることは、子どもの自己肯定感や主体性を育てるうえで重要なんですね。

 

観察力と共感力が高まり、「子どもを小さな人として見る」育児へ
ベビーサインを使おうとすると、自然と「子どもは今何を感じているだろう?」と、その表情・しぐさ・タイミングなどに意識が向きます。そして多くの保護者が、「ただ泣いたりぐずったりする存在」ではなく、「小さな人」として、子どもの考えや気持ちを受け止められるようになった――と語ってくれています。note(ノート)+ 1
こんな風に育てられた子どもは、自分の気持ちを大事にされ、他者の気持ちにも敏感な、“優しい心”の育ちやすい土壌を持つことができるのではないでしょうか?

 

「感情を受け止めてもらう/表現できる」育ちが、意地悪の芽を摘むかもしれない
以上をまとめると、ベビーサインには、

 

  • 子どもの感情や思いを受け止める手段になる

  • 子どもが「自分は大切にされている」「伝えたことがわかってもらえた」という安心感を得られる

  • 子どもの自己肯定感や他者への共感力の基盤を育てる

  • 言葉が育つ前から「感情を表現する力」を育てる

 

という可能性があります。
そうした育ちの土壌があれば、「意地悪」「他者をけなす/傷つける」「自分を守るために誰かを下げる」といった行動への道筋は、そもそも作りにくくなる。
つまり、「意地悪な子」に育てあげてしまう原因は、たいてい“環境”にある。
そして、ベビーサインは、子どもの心を 受け止めるとても有効なのではないか――私はそう考えています。

 

ただし…「100%安心」ではない。使い方と受け止め方が肝心
もちろん、ベビーサインは魔法ではありません。
たとえば、子どもの感情を受け止める態度なしに、ただサインだけを覚えさせても、本質的な「共感」「安心感」「信頼感」は育ちにくいでしょう。
――でも、言葉を待つ期間に「伝えたいのに伝えられない」「わかってもらえない」と子どもが感じる時間を少しでも減らせるなら。
それは、子どもの心の根っこに、「この世界には信頼できる存在」がいる――というベースを与えること。
そして、そのベースの上に育つのは、「人を信じ、他者を大切にする」という、人間として大切な感性なのではないでしょうか?

うん!やっぱりベビーサイン、すごい!
そんなベビーサインがぎゅっと詰まった拙著「ベビーサイン図鑑」はこちらから。

 

おわりに:ベビーサインは「言葉の前の共感と思いやりの種まき」
もし、あなたが「子どもの気持ちをちゃんと受け止めたい」「子どもに安心感を与えたい」「将来、相手を大切にできる子に育てたい」と思うなら、ベビーサインはとても有効な手段になると思います。
言葉を待つ前に、まず心を受け止める。
それは、子どもが “優しい心” を育むための、静かで確かな種まき。
「意地悪な子」なんて、生まれつきはいません。
育つ環境と、受け止め方次第。
そして、その受け止めの第一歩に、ベビーサインはきっと力になってくれる。