2026.06.24「本を読んだら100円」で学力は上がるのか?
「テストで100点を取ったらお小遣いをあげる!」
そんな約束をしたことはありませんか?
子どもにやる気を出してほしいと思うと、つい結果にご褒美を用意したくなりますよね。
ところが、実は「良い成績を取ったらご褒美」よりも、「本を読んだらご褒美」の方が学力向上につながる可能性があることをご存じでしょうか?
アメリカの経済学者、ローランド・フライヤー氏は、数万人規模の子どもたちを対象に、「ご褒美と学力」の関係を調べる大規模な研究を行いました。
その中で興味深い結果が報告されています。
テストの点数が良かったら報酬をもらえる子どもたちと、本を読んだら報酬をもらえる子どもたちを比較したところ、学力向上につながったのは後者だったのです。
どうしてだと思いますか?
一見すると、「良い点数を取ったらご褒美」の方が効果がありそうですよね。
でも、よく考えてみてください。
子どもに
「90点取ったらご褒美だよ」
と言ったとしても、子どもはそのために何をすればいいのか分からないことがあるんですよ。
どの問題集をやればいいのか。
どれくらい勉強すればいいのか。
どこを復習すればいいのか。
結果は示されても、その結果にたどり着くための道筋が見えないんです。
一方で、
「本を1冊読んだらご褒美だよ」
と言われたらどうでしょう。
やるべきことは明確です。
本を開いて読む。
まずはその行動を始めればいい。
つまり、フライヤー氏の研究が示したのは、
結果(アウトプット)よりも、結果につながる行動(インプット)に注目した方が、子どもは動きやすい
ということでした。
これは子育て全般にも当てはまりそうです。
私たちはつい、
「本好きな子になってほしい」
「勉強が好きになってほしい」
「自分から学ぶ子になってほしい」
と願います。
でも、それらはすべて結果です。
その結果を生み出すためには、どんな日々の経験が必要なのでしょうか。
どんな関わりが、その子の好奇心を育てるのでしょうか。
どんな環境が、「知りたい」「やってみたい」という気持ちを引き出すのでしょうか。
子どもの成長を考えるとき、結果ばかりを見てしまいがちです。
でも、本当に大切なのは、その結果につながる小さな行動や経験なのかもしれません。
ただし、ここでひとつ疑問が浮かびます。
「じゃあ、ご褒美を使えば使うほどいいの?」
実はそう単純でもありません。
心理学の世界には、ご褒美によって逆にやる気が下がってしまうという研究もあるのです。








