2026.05.28“やって!”が言えた子は、なぜ泣かなくなるのか
0・1・2歳児保育を考える
― 小さな人を尊重する保育 ―
1歳くらいの子どもたちは、
「自分でやりたい!」という気持ちがどんどん育ってきますよね。
スプーンを持ちたい。
靴を履きたい。
ズボンをはきたい。
でも、まだうまくできない。
やりたい。
でも、できない。
(正直、大人からすると面倒な時期・・・)
この時期の子どもたちは、
そんな“もどかしさ”の真っ最中にいます。
そして「やりたい」という気持ちも
「もどかしい」というその気持ちも、
まだうまく言葉では伝えられません。
するとどうなるか。
泣く。
怒る。
ひっくり返る。
物を投げる。
大人から見ると、
「急に機嫌が悪くなった」
ように見えるときもあれば、
「あーまた始まった・・・」
って感じるときもありますよね。
でも実はその奥に、
「困った」
「できない」
「助けてほしい」
という言葉にはできないけど、
気持ちが隠れているんですよね。
以前、ある保育園でこんな場面がありました。
1歳の男の子が、
ズボンをはこうとしていました。
でも足がうまく入らない。
何度もやり直す。
引っ張る。
座り直す。
少しずつ表情が曇っていきます。
以前なら、
ここで泣いていたかもしれません。
でもその時、
その子は先生を見て、
胸をトントン。
【やって】のベビーサインをしたそうです。

すると先生が、
「先生が【やって】あげようか」
と笑顔でお手伝い。
男の子もホッとした表情になったそうです。
この【やって】というベビーサイン、
保育には是非取り入れて欲しいベビーサインの1つなんです。
なぜならそこには、
「困った時は、助けてもらっていい」
という安心感があるから。
乳児期の子どもたちは、
困っていても、
その気持ちをうまく外に出せません。
だから、
泣くことでしか伝えられないこともあります。
でも、
「やって」
「手伝って」
が伝えられるようになると、
子どもたちは驚くほど穏やかになることがあります。
そして大人もまた、
「困ったときに助けてあげる」
という「見守る」保育を
安心して行うことができるようになるんです。
私は、
乳児保育において大切なのは、
“泣かせないこと”
ではなく、
「困った時に、助けを求められること」
なのではないかと思っています。
それはきっと、
これから先の人生にもつながる力です。
一人で抱え込まず、
誰かを頼ること。
「できない」
を伝えられること。
「助けて」
と言えること。
その小さな第一歩が、
まだ言葉にならない時期から育っている。
そう考えると、
ベビーサインは単なるコミュニケーションの道具ではなく、
“安心して人を頼れる世界”
を作るための、
ひとつの入り口なのかもしれません。








