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2025.12.01臨床心理士が語る“ベビーサインが子どもの心を守る理由”──エリクソンの発達理論から考える

子どもの“心の土台づくり”、何から始めたらいいの?

「ベビーサイン図鑑」Gakken の購入者特典ダウンロードコラム=臨床心理士でベビーサイン講師である山本水香先生のコラムから、一部抜粋で以下お届けします。

 

子どもには「幸せに、心穏やかに育ってほしい」。
これはすべての親の願いですよね。

 

けれど、今の日本の子どもたちは、決してラクではない環境に置かれています。
文部科学省の調査(令和5年度)では、小・中学校の不登校児童生徒数は過去最多。中学生の6.7%、小学生でも2.1%が学校に行けない状態にあると報告されています。

 

「どうすれば、子どもの心は安定して育つの?」

そのヒントを、アメリカの発達心理学者エリク・エリクソンの“ライフサイクル論”から見てみましょう。

 

エリクソンが示した「人生の最初の3ステージ」

エリクソンは人生を8つのステージに区切り、それぞれに“発達課題”があると考えました。
そして、課題がクリアされるたび、心はしなやかさと強さを獲得していくというものです。

 

● 第1段階:乳児期(0〜1歳半)

発達課題:基本的信頼感

● 第2段階:幼児前期(1歳半〜3歳)

発達課題:自律性

● 第3段階:幼児後期(3〜5歳)

 

発達課題:積極性
(詳しくはコラムをご覧ください)

これらを一段ずつ積み上げることで、のちの人生でつまずいても、助けを求める力・立ち上がる力が育っていくのです。

 

ベビーサインは、この“心の土台づくり”をサポートする

では、親は具体的に何をすればいいのでしょうか?
実は、答えはとてもシンプルです。

 

「赤ちゃんとしっかり関わること」

 

でも、分かっていてもそれって具体的にどうしたら良いのか難しい。
そんなときこそベビーサインが役立ちます。

 

● ① アイコンタクト+尊重

ベビーサインは、赤ちゃんと向き合う時間を自然と増やします。
「あなたのことを大切に思っているよ」というメッセージは、
基本的信頼感 を育てる最強のコミュニケーションです。

 

● ② 赤ちゃんを信じて“待つ”時間

サインが返ってこなくても待つ経験は、
赤ちゃんが「伝わるまで頑張ってみる」力につながり、
自律性 を育てます。

 

● ③ コミュニケーションの楽しさ

ベビーサインで意思疎通ができると、
「言いたい!伝えたい!」「やってみたい!」がどんどん増えます。
これはまさに 積極性 の芽が育っている証拠です。

 

ベビーサインは、今だけではなく“未来の心”を育てる

赤ちゃんとの毎日を、未来につながる“心の土台づくり”の時間に。

 

そのためのヒントをたっぷり詰め込んだ
『ベビーサイン図鑑』(Gakken)そんな想いで作った一冊です。

 

赤ちゃんの心に寄り添う時間が、
あなたの育児をもっとあたたかいものにしてくれますように。