2025.11.14赤ちゃんはおしゃべりより「手」のほうが得意
― 手の発達を知るとベビーサインが自然にうまくいく理由 ―
赤ちゃんはまだことばを話せないけれど、実は生後すぐから「手」を通して世界と関わり始めています。
今日は、手の動きの発達を3つのキーワード
手掌把握・指先把握・ピンチ把握
そして発達初期の大事な動き
ハンドリガード・リーチング
を使って、わかりやすくご紹介しますね。
1. 手の発達は「大きな動き」から「細かい動き」へ進む
◆ 生後2〜3ヶ月:ハンドリガード
この時期の赤ちゃんは、自分の手をじーっと見つめたり、なめたりする姿がよく見られます。時々なめてたらごぼっと口に入ってしまって、焦ってる赤ちゃんもいますが(笑)これが ハンドリガード(hand regard)。
「これはわたしの手!」と気づき、自分の体をコントロールする第一歩です。あの真剣なまなざし、懐かしい!
◆ 生後3〜4ヶ月:リーチング
気になるものに手を伸ばす動きが リーチング(reaching)。
まだうまく掴めないけれど、「取りたい」という意思がしっかり見え始めます。不器用にヌーーーって伸びる手も愛おしいですよね。
2. ものを掴む力の発達
ここから3つの把握=握る力の発達が進みます。
◆ ① 手掌把握(しゅしょうはあく)
生後4〜6ヶ月ごろに目立ってくる握り方。
手のひら全体でぎゅっと握る動きです。
ガラガラを持つのもこの時期。
◆ ② 指先把握
生後8〜9ヶ月頃になると、物をつかむとき
親指+人差し指・中指 がメインになってきて、薬指・小指は動きから“抜けて”、添えるだけ or たたんだ形になる
赤ちゃんの手をよく見ると、細かいものを掴むときに、
薬指や小指が「くいっ」と軽く曲がって使われなくなっていきます。
これは、手の巧緻性(こうちせい:細かく動かす力)の発達が進んでいるサインなんですよ。
◆ ③ ピンチ把握(つまみ動作)
1歳前後で出てくる最も細かい動き。
親指と人差し指の2本だけで、小さなものをつまむ動作です。
離乳食のつまみ食べがまさにこの練習になります。
3. 手が育つと “伝える力” が伸びる
赤ちゃんはことばがまだ話せなくても、
手の動きは月齢に合わせてどんどん器用になります。
つまり――
声で話すより、手で伝える方が早く発達する のです。
ここがベビーサインの大きなポイント。
赤ちゃんはまだ声で「もっとほしいよ」「お外行きたい」「痛いよ」と言えなくても、手の動きなら先にコントロールできる ので、ベビーサインを使ったコミュニケーションができるようになります。
4. ベビーサインは「手の発達に合った」伝え方
ベビーサインは、赤ちゃんがもともと発達させている
手掌把握 → 指先把握 → ピンチ把握
という自然なステップに寄り添って作られています。
だからこそ、「まだ話せないのに、本当にサインなんてできる?」
という心配は必要ありません。
むしろ、
ことばより早く使えて、気持ちを伝えやすいツール がベビーサインです。
5. 「できた!」が増えると、赤ちゃんの笑顔も増える
自分の気持ちが伝わると、赤ちゃんはとても嬉しそうです。
そしてその成功体験は、自己効力感(できた!という感覚)
の土台にもなります。
泣くしかなかった世界が、「伝わる世界」に変わる――それがベビーサインの魅力ですね。
まとめ
-
赤ちゃんは早い時期から手で世界と関わる
-
ハンドリガード → リーチング → 手掌把握 → 指先把握 → ピンチ把握という順に発達
-
ことばより手の発達が先に進むため、ベビーサインはとても自然で使いやすい
-
ベビーサインを使うことで赤ちゃんの「伝わった!」という喜びが増える
赤ちゃんが手で世界を知り始めるその瞬間から、ベビーサインはやさしく寄り添います。
「まだ話せないからこそ、伝える方法を届けてあげたい」そんな思いで、今日からベビーサインを楽しんでみませんか?
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