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2026.01.29「指差し」だけで、本当に足りていますか?赤ちゃんは、思っている以上に“伝えたい”

赤ちゃんは、生まれた瞬間から
「伝えたいこと」がたくさんあります。

 

でも――
言葉が話せない。

 

この「伝えたいのに、伝えられない」状態が、
赤ちゃんにとってどれほど大きなストレスなのか。
それを少しだけ体感できる、印象的な文章があります。

 

イギリスの心理療法士フィリッパ・ペリーのベストセラー
『自分の親に読んでほしかった本』(日本経済新聞出版)からの一節です。

 

床に寝そべってみましょう。
そして、その姿勢のまま、
寂しいとか、おなかが減ったとか、喉が渇いたとか、
居心地が悪いと感じながら、
言葉がしゃべれないのはどんな気分か想像してみてください。

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どうでしょうか。
これは「ねんね期」の疑似体験ですが、
おすわりができるようになっても、
ハイハイができるようになっても――

言葉を話せない赤ちゃんは、ずっと
「思いを伝えられないもどかしさ」を感じていますよね。

 


「指差し」ができると、世界が少し広がる

成長の中で、赤ちゃんが身につける大きなスキル、
それが 「指差し」 です。

 

・見てほしい
・とってほしい
・食べたい

 

指差しによって、大人の視線を動かし、
「伝わること」が一気に増えます。

 

これは赤ちゃんにとって、とても便利で、
とても嬉しい進歩です。
大人も、指さしでなんとなく会話ができているから
ベビーサインなんていらないんじゃないの?
と思う人もいます。

 

でも、ここで壁にぶつかります。

  • りんごを食べたい」(でも、目の前にない)

  • パパはどこ?」(今ここにいない)

  • ボール持ってきて!」(遠くにある)

目の前にないものは、指差しでは伝えられませんね。

 

さらに――
赤ちゃんが伝えたいのは「物」だけではありません。

  • 「このりんご、おいしい!」

  • 「パパ、大好き!」

  • 「このボール、大きいね!」

気持ち、考え、感じたこと。
それらは、指差しだけではどうしても足りなくなっていくのです。

 

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表情やしぐさを読み取るだけで、本当に足りる?

「ベビーサインがなくても、
表情やしぐさでわかるのでは?」

そう感じる方も多いと思います。

 

確かに、月齢が低いうちは
赤ちゃんの欲求は比較的シンプルで、
大人が“読み取ってあげる”ことで対応できる場面も多いです。

 

でも、成長とともに
赤ちゃんの 自己主張 はどんどん増えていきます。

 

そんなとき――
「読み取る」だけでは、足りなくなる瞬間が訪れます。

たとえば、

 

  • 夜中に泣いていた赤ちゃんが
    【お茶】のベビーサインをしたら?
    →「おっぱいじゃなかった!喉が渇いていたんだ」と分かります。

  • ごはんを食べない赤ちゃんが
    【おにぎり】のサインをしたら?
    →「味じゃなくて、形だったんだ」と気づけます。

 

ニコニコのときは、
表情を読み取るだけでもうまくいくことがあります。

 

でも、
機嫌が悪いとき、うまくいかないときこそ、
「伝え合える手段」があることが、親子を助けてくれるのです。

 


ベビーサインは、赤ちゃんの“強力な味方”

そこで、赤ちゃんの強力な味方になるのが
ベビーサイン です。

 

ベビーサインは、
長い歴史をもつ「手話」という言語をベースにした、
赤ちゃんのための 「目で見えることば」

 

まだ話し言葉を十分に使えない乳幼児と大人が、
手の動き(サイン)やジェスチャーを通して
思いを伝え合います。

 

泣くしかなかった赤ちゃんが、
「伝えられた!」という経験を重ねていく。

 

そして大人も、
「わかってあげられた」という喜びを重ねていく。

 

ベビーサインは、
便利な育児テクニックではありません。

 

親子が“通じ合う”時間を増やす、
コミュニケーションの土台
なのです。

 


もっと詳しく知りたい方へ

この記事でご紹介した考え方や、
実際にどんなベビーサインがあるのか、
どんなふうに日常で使えばいいのか――

 

それらをまとめたのが、
拙著 『ベビーサイン図鑑』(Gakken) です。

「教える」ための本ではなく、
赤ちゃんと一緒に楽しみながら、
伝え合う時間を増やすための一冊
として作りました。

 

赤ちゃんの「伝えたい」を、
見逃さず、受け取ってあげたい方へ。
ぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。