2025.11.27幼児期に“お金以上に大切な投資”って?
― 母親が子どもと過ごす「時間」と「質」が、未来の力をつくる
子育ての情報を見ていると、つい「習いごと」「教材」「知育おもちゃ」など、“お金でできる投資”に目が向きがちですよね。もちろん、これらも子どもの経験を広げてくれます。
でも実は、幼児期にもっとも大きな影響を持つのは、親が子どもと過ごす「時間」と、その時間の「質」だと言われてるんですよ。
1. 乳幼児期は「発達のゴールデンタイム」
ノーベル賞経済学者ジェームズ・ヘックマンは、幼児期の親の関わりは、後の学力・社会性・自己肯定感に大きな影響を与えると示しています。(1つ前の記事参照)
さらに、幼児期の脳は1秒間に100万の神経回路がつながると言われ、「人とやりとりする経験」そのものが脳の土台を形づくる時期です。
だからこそ、目の前の子どもと向き合って過ごす時間が、長い目で見て「最大の投資」になるんです。
2. 母親の時間投資は、特に“幼い時期”に大きく効く
最近の統計では、幼児期(0〜5歳)の親子時間は以下のように報告されています(米国のデータ):
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親が子どもと過ごす時間は 1日平均6.5時間
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このうち、子どもに直接関わる時間(抱っこ、遊び、読み聞かせなど)は、母親で 約2.7時間/日、父親で 約1.6時間/日 (Bureau of Labor Statistics, 2022)
母親の関わりは子どもが低年齢のうちに多く、成長に伴い徐々に減る傾向があります。これは「幼い時期の関わりが特に発達に効く」という事実を裏づけています。
では、日本ではどうか?とデータを調べて見ると、未就学児のいる家庭では、仕事のある日の父親の育児・家事時間は10〜40分程度とびっくりするくらい短い。母親は平日でも2〜3時間ほど関わることが多く、父親との差は大きいという結果を見つける事ができました。(国立成育医療研究センターの調査)これは、働き方改革も必要だ!と言える数字ですよね。
3. じゃあ、どんな「時間」が子どもの力になるの?
研究では、単に長く一緒にいるよりも、質の高いやりとりが大切だと報告されています。そう!スマホ片手にとか、お友達とおしゃべりしながら「ながら」時間を単に過ごすだけでは意味がないんです。
質の高いやりとりの例
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目を合わせて話しかける
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子どもの呼びかけに応じて返事をする
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指さしや身ぶりに言葉を添えて関わる
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読み聞かせや歌、簡単な遊び
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日常のケア(おむつ替え、食事、お風呂)を声かけの時間にする
こうした時間は、子どもの語彙力や社会性、集中力、安心感の育成に強く結びつくことが研究で示されています。
4. 父親の関わりも大切
父親の関わりは母親と少し異なるパターンを示すことがあります。研究では、母親ほど幼児期に時間が集中せず、年齢に関係なく一定の関与が続く傾向があると報告されています(Hook, 2011)。
つまり、母親の幼児期の時間投資と、父親の継続的な関わりが組み合わさることで、子どもの発達をより豊かに支える事ができるんです。
5. 忙しい毎日でもできる「小さな時間投資」
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1分でも、抱っこしながら目を見て声をかける
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歩きながら「きれいだね」「あっち行こうか」とできるだけ声をかける
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お世話の時間を、簡単なやりとりの時間にする。「オムツ替えるよ~」「今日はどっちの靴下はく?」
大切なのは長さではなく、子どもの気持ちに応じて関わる“質”です。
6. 長い目で見た「心と未来への投資」
幼児期の親との関わりは、子どもの将来の学びや社会性、自己肯定感に影響します。そして、小さなうちは特に、この関わりが安心感にも繋がるんです。
忙しい日々の中でも、小さな関わりを積み重ねることが、子どもの心と脳に確かな土台をつくります。
まとめ
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幼児期にお金より大切なのは、親自身の時間と関わりの質
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母親は特に幼児期に多くの関わりが必要
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父親も年齢に関係なく関わることが効果的
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日常の“ちょっとしたやりとり”を意識するだけで十分
子どもと過ごす時間の積み重ねは、目に見えないけれど確実に、子どもの未来を育む最大の投資です。
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